
↑Northrop Grumman社のサイトでは航空機の写真がDLできるようになっています。
最先端の巨大軍需企業
実は航空機メーカーのホームページを、これまで見たことはありませんでした。飛行機好きの方ならきっとご覧になるものなのでしょうが。
偶然にNorthrop Grumman社のホームページを見ることがあり、きれいに撮られた写真がダウンロードできるようになっていて驚きました。まあ、画素が少々荒いのは気になります。
しかし、ホームページを見ていて思ったのは、航空機メーカーというよりも軍需企業だなということ。ステルス爆撃機や無人攻撃機、哨戒機などのビデオや写真が次々出てくるは、サイバーや兵站、自律システム、C41SRなどの言葉がならび、見ているうちに心穏やかではいられなくなってきました。

↑Cyber、Autonomous System、C41SRなどの言葉がならぶNorthrop GrummanのHP
それは、Lockheed MartinやBoeing、Raytheonでも同じ。
いわゆる「死の商人」たちですね。戦争がなければ巨大軍需産業も立ち行かなくなりますから、利潤の追求のために、危機をあおり、戦争を挑発、拡大したいとの衝動に常にさらされて続けているはずです(注1参照)。
「軍産複合体」(注2参照)の形成は米国経済の軍事依存を高めたと言われます。軍需工場のある地元では、雇用や議員の支持票に密接なかかわりのあるものとなっており、利権のネットワークは米国と同盟国の外交防衛政策の動向をも左右し、武器は敵にまで流されます。いつまでたっても世界から戦争はなくならないわけです。
とはいっても、犠牲になるのは弱者であり、米国では黒人やマイノリティが、最前線に送られると言います。軍需産業の儲けのために若者の血が流されるなんてことがいつまでも続くのは悲しいことです。
他国の心配をしている場合でもないか。
注1)かつてゼネラル・エレクトリック社のCEOチャールズ・エドワード・ウイルソンは「アメリカに必要なものは、永遠に続く戦争である」(『世界史は99%。経済でつくられる』宇山卓栄)と言っています。
注2)第2次大戦中ヨーロッパ戦線での連合国最高司令官であり、第34代米国大統領のドワイド・D・アイゼンハワーが、1961年1月7日に行われた大統領退任演説にて「軍産複合体」が民主主義への脅威となることを警告したのはよく知られた事実です。
個人的により印象的なのは、最近見た映画で知ったばかりですが、アイゼンハワーが大統領就任後まもなく1953年4月16日に米国新聞編集者協会で行った演説の一節です。「一丁の銃が作られるたびに、一隻の軍艦が進水するたびに、一発のロケット弾が発射されるたびに、結局は、飢えているのに食べる物がない人々、寒さに凍えているのに着る物がない人々からの窃盗が起きていることになります」(『世界を動かした21の演説ーあなたにとって「正しいこと」とは何か』クリス・アボット、清川幸美)。