
inomatyさん作成の関西地域のカスタムシーナリーが感動もの
この間、FlightGearの日本のサイトのフォーラムでは、inomatyさんによる「植生図を利用したシーナリー作成」の解説が掲載され、さかんに交流もされていました。
TerraGearの使い方もわからない私としては、少々むずかしくてこれまで傍観していましたが、連載が完結を迎えて暫定版のシーナリーデータが公開されましたので、さっそく使わせてもらうことにしました。
関西国際空港の進入管制区を(おおよそ)含めた範囲のシーナリーで、地形データは1/25,000植生図都道府県別「福井県」「滋賀県」「三重県」「京都府」「奈良県」「和歌山県」「大阪府」「兵庫県」「鳥取県」GISデータ(環境省生物多様性センター)のデータが使用されています。ダウンロードはhttps://github.com/inomaty/Kansai-fg-CustomSceneryより。
1)これまでのFlightGearに見られた不具合が解消
関西国際空港からいつものように飛びたちすぐに気がついたのは、海上にビルが建ち、道路が通っているというFlightGearのデフォルトのシーナリーにみられたおかしな海岸線がなくなっていること。
また、shader effctsdeでQualityを上げた際に、これまで見られた黒い三角形をした破片のようなものが地表のあちこちに現れる不具合もなくなっているようです。
リアルシミュレーターが売りのFlightGearでなんとも興ざめする箇所でしたが、これがなくなるのはうれしいことです。

2)植生図データの威力
植生図を利用ということは、とりあえずはどんな植物が生えているかがエリアで分けられて、それに対応した色や模様で地表が描き分けられていると理解していいのでしょう。ただ、3Dの樹木がこれに対応しているのかよく知りませんが、ランダムな木といってもある程度この地表の模様とその上に植わる木々との間には相関があるように思います。FlightGearの仕組みに則っているのかな。

FlightGearの樹木は少し大きそうな気がしないでもないんですが、空の上からではなかなか樹木の違いにまで注意が向くことはありません。FlightGearのデフォルトでは、地表のエリア分けが細かくなく一様で、生えている樹木もあまり変化が見られなかったこともあったのでしょう。カスタムシーナリーでは、植生の違いに合わせてかなり細かく地表が描き分けられていますから、デフォルトでは見ることのできなかった池や古墳までくっきりと見て取ることができます。まさに植生図データの威力でしょう。
離陸後、湾岸線を北上して大阪府咲洲庁舎が陸の上にあることを確認したら、右旋回して八尾の飛行場を通過、再び泉州方面へ南下していたときでした。突然目の前に巨大な仁徳天皇陵、もとい大仙陵古墳をはじめとした百舌古墳群が現れたんですから驚き、感動すら覚えました。

3)川、池、交通路、ゴルフ場・・・地図でも見てるかのよう
関西で飛行するなら、絶対にinomatyさんの関西のカスタムシーナリー(Kansai-fg-CustomScenery)を使って楽しむべしとするのも、すでに述べたとおり、変化の乏しいFlightGear標準のシーナリーとは大違いだからであることをご理解いただけるでしょう。
他に気づいたことを含め、補足しておきましょう。
池は、かなり小さなものも表示されているように思います。さすがにプールくらいでは無理にしても、屋外の少し大きめの釣り堀や溜池あたりは表示されています。
冒頭の画像で言うと、大極殿の上に見える水上池は、大きさがほぼ大極殿ほどありますのでかなり巨大な池に感じますが、他方、大極殿横の池は大極殿の3分の1ほどの大きさでしょうか、名前を知りませんが人が浸かって菱とりをするような池なので、それほど大きくはとても見えないものです。
興福寺五重塔近くの猿沢池は、小さくて残念ながら表示されていません。
元からFlightGearでは、川は青色をしていて灰色の道路とは色で区別されていますので、見間違えることはないでしょうが、カスタムシーナリーでは河川敷のある川は明瞭に河川敷が表示され、目視の目印に最適かつ飛ぶのが楽しくなります。

↑京都府南部を流れ、淀川に流れ込む木津川
鉄道の線路は、道路ほどたくさんありませんから見間違うことが少なく、川のないところでの目視飛行の目印にするのに好都合なのですが、勘違いしていなければカスタムシーナリーでは残念ながら表示がありません。
比較的目につきやすそうに思われたゴルフ場ですが、思うほどにコースが鮮明に浮かび上がらず、そこにあることを知っていないと気づきにくそうです。
判別のしやすさに程度の差はあれど、地形をよく知っている地域だと、明らかにこのハゲ山は若草山だとか、これは唐招提寺の横の林だ、畔に美術館のある池だなどと、地図でも見てるかのようによくわかって飛んでいて楽しくなります。これは得難い魅力です。
山中のダム湖はどうなっているんだろう。いやー、楽しみはつきません。