
日本の主権の問題
次期米大統領のトランプ氏は、大統領に就任したらただちにTPPから離脱することを宣言しました。TPPのISD条項やラチェット規定では、外国の企業が不利益を被る法律や制度があると国際機関に訴えでればその国の法律・制度を変えなければならなかったり、一旦自由化・規制緩和をしたらその国に不都合があっても取り消せないなど、国民の利益より外国の私企業の利益のほうが優先されるなんてとんでもな内容だけに、TPPからの離脱は賢明な選択です。アメリカか日本のどちらか一国でも加わらなければ発効しないのですから、トランプ大統領にはどんな圧力にも屈せず頑張ってもらいましょう。
合わせて、この際ぜひ在日米軍も引き取ってもらいたいものだと思います。
DIAMOND onlineの11月17日付け記事「トランプが米軍を撤退させても日本の防衛に穴は開かない」は、在日米軍駐留経費の100%日本負担を求めるトランプの主張をめぐって、なかなか面白いことを言っています。
もともと「日米防衛協力の指針」(ガイドライン)では、日本の防衛は一義的には日本が責任を負うことになっており、日本の防衛にあたっている米軍は皆無であり、米軍が撤退しても日本の防衛に穴が開くわけでなく、トランプが米軍は撤退と脅すなら反対せず、応じればよいというのがその主旨。沖縄の基地問題は解消、年間6000億円近い経費分担を免れ、北朝鮮の核の脅威は減少するとしています。
なるほど、日本に駐留する米軍の中心は、人数的にも圧倒的に海兵隊です。アメリカの世界支配のために諸国へなぐりこみをかける軍隊に、待機場所を提供した上駐留費用まで出してやるというのはおかしなはなしです。
ここでもう少し突き詰めて考えてみればどうでしょう。在日米軍は日本の防衛のためというより、アメリカの日本支配のための存在であり、お金をだして日本を支配してもらっているようなものと言えないでしょうか。
アメリカによる日本の政治的経済的支配が、戦後70年以上たった今日も続いているのは、米軍による日本の半占領ともいうべき軍事支配と切り離せないでしょう。

↑国土交通省航空局「航空機の安全かつ効率的な運航について」(平成16年2月25日)より
FlightGearの世界ではついつい忘れて自由に大空を飛び回ってしまいますが、現実の日本の空は広範囲に米軍が握っていて、日本の航空会社と言えども米軍の許可がなければ飛べないことなどは、よく知られた事実です。
横田エリアは、静岡から新潟までの広い空域にまたがっており、航空会社はいちいち米軍の許可をとってもおれず、これを避け迂回して飛んでおり、空の混雑や余分な燃料代、航空運賃に影響していると言われてきました。
もちろん航空機は航空管制に従って飛行しなければなりませんが、問題は日本の空だというのに、日本の主権が及ばない場所があるという厳然たる事実です。
部分的に日本に返還(直近では2008年)されたりはしていますが、嘉手納ラプコンのように管制権が形式的にでも返還される気配はありません。首都東京という日本の中枢に近く、首根っこはしっかりと抑えておきたいという軍事的意図なんでしょう。アメリカによる日本の軍事支配の証左に思います。
こうした対米従属の実態がある以上、駐留経費を100%負担し米軍を傭兵化するなどと大言壮語されても、いかがなものでしょう。まあ、トランプ頼みで日本の自立を期待するのもかなり愚かなことではあります。せめて、日本が米国に支配されていることを忘れないようにしたいものです。
イギリスからの独立を闘いとったアメリカはリスペクトに値する国だと思っていますし、アメリカ国民にはなんのうらみの感情も持ちませんが、実は被爆者の血を引いているものですから、核兵器や戦争、日米関係にはつい過敏になってしまい、今回は随分政治的なはなしになってしまいました。
今は米国でもヘイトやレイシズムが煽られ、移民登録の議論にかかわりかつて日系人を強制収容した歴史を当然視するがごとき発言がトランプ支持識者から公然と語られるような状況もありますが、いつか日本の空が戻ってきて、対等な日米関係のもと、日米両国民の友好が一層深まる日が来ると思っています。