ロッキードL-1011トライスター | virt_flyのブログ

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ロッキード事件と戦後日本の闇
 NHKがこの週末2日にわたり、戦後最大の疑獄事件とされるロッキード事件をとりあげた番組を放映していました。元首相が逮捕されたのですから大変な事件ですが、発覚は40年も前のことになるのですね。

 ロッキード事件といえば、同社の旅客機L-1011トライスターの受注をめぐる汚職事件として記憶されていますが、今回のNHKの報道は、事件の真相が、すでに全日空への導入が決まっていたトライスター(L‐1011)でなく、ロッキード社製の対潜哨戒機P‐3Cの自衛隊への導入にこそあったとするものでした。

 当時、国産対潜哨戒機の開発を決めていたわが国でしたが、ハワイでの日米首脳会談後田中角栄はこれを白紙還元。TVに登場した
米政府元高官が「日本に金を出させアメリカの対潜能力を高めることに役立った」という趣旨の発言をするのを聞き、わが国の防衛装備すらアメリカの意向で変えられる、対米従属がいかに深いものかをあらためて感じたものです。

 米国の公聴会で発覚した、ロッキード社から日本の政治家や官僚などに流れた金のルートは、全日空ルートなど3つ。丸紅ルートの5億円は一応解明されたものの、大物右翼の介在する児玉ルートの21億円はついに未解明のまま。「魑魅魍魎」との言葉も出ていましたが、戦後日本の底知れぬ闇を日本国民が一瞬垣間見た事件でもあったんですね

 CIA(アメリカ中央情報局)とのつながりも深いというこの大物右翼が、アメリカから金をうけとっても驚くことはないのですが、裏で政治を操る黒幕、フィクサーといわれるこの人物は、21億もの金をなぜ必要とし、これを使いいったい何をしようとしていたのでしょうか。

 怪しげな金で政治が操られるのではたまりません。真相究明を求める国民世論の高まりもすごかったんですね。これがなければあそこまで到達することもできなかったのではという気がします。

 さて、いい加減にして飛行機の話をしなくては。
 実機のL-1011は
、完全自動操縦など新しい機能が多数盛り込まれた完成度の高いロッキード初の大型ジェット旅客機で、ライバルのDC-10や747と比較しても、機体のトラブルや欠陥による重大事故を起こしておらず、今なお安全性の高い航空機の一つと評されています。唯一弱点は航続距離の短さで、胴体の短縮で軽量化を図るも搭載重量が減少。開発の遅延とこうした発展性の乏しさもあいまって、ボーイング社やマクダネルダグラス社の販売網に太刀打ちできず、販売は不振に陥ったとのこと。このために賄賂工作による売り込みが図られることになったわけです。

 FlightGear用の機体には、胴体を短縮したL-1011‐500があります。滑走をはじめてもなぜか離陸してくれません。

 次いで問題のP-3C。
FlightGear用の機体は見当たりません。いわくつきのターボプロップ機エレクトラの再開発で誕生したP-3ですが、P2Vネプチューンの後継対潜哨戒機として採用され、ベストセラーとなりました。現在後継機種(ボーイングP-8A)に置き換えられつつあって、保有数では日本が一番になっているようですが、かなり一般的な機体だっただけに、FlightGear用の機体にあってもよさそうなものですが…。