W124 500E いわゆるフルコン化 | 60's ~ 80's 輸入車専門店Virage development (ヴィラージュ デヴェロップメント)

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メルセデスベンツは電気仕掛けのものをどうにも信用できなかったようです。

70年代にはBOSCHのD-Jetro(電子制御)を採用したものの、すぐにK-Jetroに鞍替えし、他の自動車メーカーはとっくに電子制御に移行していたにも関わらず、最後までそれ(KE-Jetronicに進化)を採用し続けました。

因みにKEに進化していたにも関わらず、最後までKを採用し続けたのは964ターボです。理由はその時点で要求される燃料を噴射できる電子ソレノイド式のインジェクターが無かったからだと思われます。当時はKのそれの方が多くの燃料を吹けたということです。

 

その後91年に鳴り物入りで500EがデビューしてBOSCH製のLHという電子制御システムが採用されました。

同じM119エンジンを搭載したR129はその時点でKE-Jetronicのままです。

500E以外のW124についてもその時点でKE-Jetronicのままでした。

 

同じ1991年にデビューしたW140にも500Eと同じエンジンとBOSCH製LHシステムが採用されたようですが、

どちらかと言えば、Sクラス用に開発されたモノを500Eに搭載、採用したということであり、

500E用に開発されたものではないようです。

 

 

信用していなかった電子制御を採用するに当たり、これでもかというほどの念の入れようでコストも掛けて造られたことが見てとれます。エンジンマネージメントの電子制御化は既に確立したものであったでしょうが、

「CAN」を採用して他のコントロールユニットとリンクさせるという技術に関しては黎明期を脱していなかったのでしょうか。「ASR」という車体をコントロールする新しい技術も加わり、より複雑になったシステムです。

四つも並んだコントロールユニットを冷却するためにわざわざこの箱用の冷却ファンを装備するという気合の入れようです。

もちろん当時はこれが実用化に耐えうる最先端の技術だったのでしょう。

 

 

今回のメニューではそれら全てが不要です。

四つあったコントロールユニットは一つで済みます。

立派なダイキャスト製の箱に収めて更にそれを冷却するファンまで装備する必要があったECUが、

昨今ではエンジンルームに、更にはエンジンの上や横に裸で搭載されているような時代です。

それでも信頼性が担保されるというのがテクノロジーの進化というものです。

 

 

これらのコネクターに繋がっている配線の必要、不要を選定する作業を進めます。

これらを残して全く別系統の新しい配線を引き直すこともできますが、

不要、機能していないものを車体に残すことは私の心情的に無理です。

 

今回のご依頼もECUやセッティングを変更することによるパフォーマンスの向上を目的としたものではありません。

供給が終了したユニットや何度も交換しないといけないような部品に苛まれることのないように、

安心して気持ちよく乗り続けられる自動車に仕立て直すための作業です。

結果どっちにしろパフォーマンスは上がりますが。

 

これまでこの車種に詳しくなかったのですが、

この車種に関しての日本が誇る世界的なGURU及び、専門的なショップの方々から様々なアドヴァイスをいただきました。

この場を借りて感謝の意を表します。

 

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