小学生や中学生の頃、月経が始まる“初潮”や思春期の女性の身体の変化について、学校で教えてもらうことができましたよね。ですが、月経が止まる“閉経”や、その前後の“更年期”については、なかなか教えてもらう機会がないのではないでしょうか。
特に“閉経”は、デリケートな話題であるだけに、友人同士でも情報交換がしにくいもの。まだ閉経を迎えていない方の中には、いつか訪れる閉経のことがよくわからず、不安な方もいらっしゃるかと思います。
そんな閉経ですが、“その時期”が近づいてくると、多くの方に“月経の変化”が見られることをご存知でしょうか？ 更年期の不快な症状が出ていなくても、月経に変化がみられたら、それは“更年期と閉経にむけた心の準備を始める”ための体のサインなんです。
今回は、バイエル薬品が運営するサイト『更年期のココロエ』と、同社主催の勉強会の内容などを参考に、閉経と閉経前の月経の変化、そしてその注意点についてお伝えします。
■“閉経”の判断基準
“閉経”とは、月経が完全に止まることをいいますが、実は、止まってすぐには閉経とは判断できません。12ヶ月以上の無月経を確認して、初めて閉経したといえるのです。
もしかしたら、現在「半年くらい月経が来ないから、これはきっと閉経」と思っていらっしゃる方がいるかもしれませんが、それではまだ閉経とは言い切れません。
次の月経がやってくるかもしれませんから、月経の準備や避妊は継続しましょう。
■更年期は何歳ぐらいから？
“更年期”とは、閉経をはさんだ前後の時期のことを指します。日本人女性の閉経の平均年齢は50歳頃なので、一般的には45歳～55歳くらいが更年期にあたります。
もちろん、閉経の時期には個人差があり、45歳頃に閉経を迎える方もいれば56歳頃に迎える方もいらっしゃいます。ですので、更年期が早めに始まる方もいますし、逆に遅く始まる方もいます。
更年期からは、女性ホルモンの1つである“エストロゲン”が低下することから、まず月経の変化が起きてきます。また、エストロゲンの欠乏で、身体の器官が今までどおり機能できなくなり、さまざまな不調を感じることがあります。
こうした更年期の身体や心の不調については、治療を行う方法もありますので、つらい場合には、婦人科や更年期外来を受診して相談してみてください、
■閉経前から徐々に“月経に変化”
閉経が近づくと、個人差はありますが、次のような順序で月経が変化することが多いそうです。
（1）月経周期が短くなる（頻発月経）
（2）月経周期が乱れる（月経不順）
（3）月経の出血がだらだらと長引いたり、不正出血などが起きたりする（機能性出血）
（4）月経が数カ月に1回くらいしかこなくなる（稀発月経）
（5）最後の月経から12カ月無月経となる（閉経）
月経の変化が現れてから閉経となるまでの期間や進み具合には、個人差があります。しかしながら、月経不順の時期からは、生活が少し不便になるかもしれません。
ふだんから月経時と同じくらいのナプキンを持ち歩いたり、服装にも気を付けたりしながら過ごした方がいいでしょう。
■不正出血は受診を
気を付けておきたいのは、40歳代の月経不順や不正出血が、“すべて閉経の前兆であるとは限らない”ということです。なんでも「更年期だから」と考えないで、気になる症状がある場合には、婦人科を受診してください。
月経不順や不正出血には、病気など、別の原因が隠れている場合もあります。できれば、月経が順調なうちにかかりつけの婦人科医を決めておき、気になる月経の変化があった場合には相談できるようにしておくといいでしょう。
特に“不正出血”は、更年期の機能性出血とは限らず、ガンなどの重大な疾患が原因で起きることがあります。そもそも、月経の状態が変わってくると、出血自体が、月経によるものなのか不正出血なのか、判断がつかなくなってしまうこともあるでしょう。
不正出血があったり、出血の状態の判断がしにくくなったりしたら、まめに健診を受けている方であっても、早めに婦人科を受診してください。
以上、いかがでしたか？
平均的には更年期に入るのは45歳くらいからですが、閉経の時期には個人差がありますから、40歳代前半から更年期に入る方もいらっしゃるでしょう。40歳を過ぎたらそろそろ更年期や閉経について意識しておいた方がよさそうです。
まずは、身体の変化について、気になることをすぐに相談できるように、婦人科のかかりつけ医を決めておくことから始めてみましょう。