MARCとミルベゼ 5日目 | ミルベゼ 横山千晶オフィシャルブログ Powered by Ameba

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バイオリニスト横山千晶のブログです。
mille baisers(ミルベゼ)というユニットを組んで活動しています。

12月14日
リビングルームカフェでのライブ当日。
朝いつも通りの時間にMARCからメール。
『体調が悪くなってしまってるので病院に行った方が良さそう。どこか良い病院を知ってる?コンサートは大丈夫だから心配しないで。でも、明日のフライトのためにももしいい病院が見つかれば行きたい』的な内容。

めっちゃ焦って病院を探しまくる。
目の症状と風邪の症状を診てくれる総合病院が良いと思ったのでそれを探すも、総合病院は混みすぎてて時間が読めないのでライブのことを考えるととっても危険だった。

とりあえず内科だけは予約できたので、MARCに電話してみると声全然出てなくて何言ってるかあんまり分からなかったけど
『総合病院はきっとたくさん待たないといけないだろうから、風邪の症状だけ見てもらえれば良いよ』的な内容だった。

ちょうど良かった!と思って
病院予約の15分前に迎えに行くことを伝えて急いで準備した。

私は少し遅くなりそうだったので、先に病院に行くことにして早くホテルに着いていた小久保くんにMARCを連れてきてもらうことにした。

約束の時間になってもMARCが降りてこないと聞いてめっちゃ心配になった😭

10分くらい遅れて病院にMARCがやってきた!いつも通り笑顔だったから少し安心したけど、私に心配させないために明るく振舞ってくれてるんだろうなと思って泣けてきた…

目がすごい腫れてて辛そうだった。
大丈夫?って聞いたら
『腫れてるけど自分は大丈夫!でも今日のライブのお客さんにこんな目が腫れてるところ見られるの嫌だな〜まぁ仕方ないか!』ってニコニコ話してて可愛すぎた😭

病院では私が先にカルテを記入してたんだけど
MARCの苗字が長すぎて、印刷された診察券に名前がBERTHOUM....くらいしか書かれてなくてそれ見てMARCが笑ってた。

生年月日も西暦じゃなくて昭和◯年で記入されてるから、自分が生まれた年間違ってるよ!って言ってたから『これは西暦じゃなくて日本の年号だよ』と教えてあげた。

お医者さんに、この薬をもらいたいという説明を頑張って私にしてくれた。

私はそれをお医者さんに伝えるためにスマホで調べまくった。

順番がきて、小久保くんとMARCと3人で診察室に入って病状を説明した。

小久保くんと協力して通訳して30分くらいお医者さんと戦ってた。
なんとかMARCの欲しかった薬を処方してもらえることになった!私たちの結束力を高めた瞬間だった。笑

MARCは何度も私たちにお礼を言ってくれた。薬をもらいに薬局に行って、小久保くんが日本語で説明を受けて、それをMARCに伝えた。

MARCは薬の飲み方を教えてくれる小久保くんのことを『ドクターノリ!』と呼んでいた。笑

病院から薬局まで終始明るく振舞っているので、そんな元気そうにしてたら病人だと思われないからダメだよ!って思った。笑
病院では病人らしくするものだと思ってたけどMARCは病院でも笑顔で明るい人でした。

無事に薬を飲んだら安心したのかMARCも少し元気を取り戻したようだった。

ホテルで準備してリビングルームへ。

リビングルームの楽屋がとっても広くて綺麗だからすごく喜んでいた。

『パリのライブする場所はどこの楽屋も狭くて、2.3こ椅子が並べてあるくらいだよ』って言ってた。

まかないのパスタもとても美味しかったみたいで、バゲットにソースをつけてお皿をきれいにして完食。

『フランス人は常に食事はバゲットと一緒に取るんだよ!お皿をきれいにしたのは美味しかったという意思表示だよ』と言っていた。
そのあと
サウンドチェックを済ませて、本番まで楽屋で待機。

そのときに話してた中で、小久保くんが持ってるCDで私もめっちゃお気に入りのルイウィンスバーグとシルヴァンリュックのデュオアルバムにMARCが関わってることが判明!

私たちはそれに衝撃的だったんだけど、MARCはむしろ『そのアルバムそんな有名じゃないのになんで持ってるの?!すごすぎ!』って驚いてた。笑

あとは、アラクレールフォンテーヌという曲の意味とか教えてくれたり

ミルベゼのオリジナル曲のアドバイスしてくれたり
MARCの家族とテレビ電話したり
またまた和やかに楽しく過ごした。

でも演奏する曲の始まり方とか終わり方がちゃんと決まってなかったので実は私は緊張していた。
なのでハイボールを飲んでリラックスした。

本番が始まってみると、不安と緊張はいっきに吹っ飛んだ。








MARCは絶対に音で導いてくれて、私が分からなくならないように常に音で支えてくれます。
置いてきぼりにしない演奏をしてくれる。本当にあたたかく見守りながら演奏してくれるから私も安心して演奏を楽しめる。
ほんとにすごいことだー。

ミラクルがたくさん起きたライブだった。
全ての演奏が終わって楽屋に戻ったらMARCは私と小久保くんを抱き寄せて『本当に素晴らしい演奏だったよ!』と言ってくれた。

『お互いの音をよく聞いて、わたしたちはものすごく自由に音楽ができた。これは素晴らしいことだ』と言ってくれた。

MARCも少し興奮してるくらいだった。わたしも間違いなく今日のライブはすごかった…と思ったから、本当に3人で『やったね!!!』みたいな感じで何回もハグして喜んだ。

会場ではMARCのCDを買ったお客さんにサインをしながら一人一人に丁寧にお話していたけど、喉が痛くて声が出てなかったから辛そうだった!
でもみんなに明るく丁寧に振る舞う姿にこの人は本物のプロだなと思った。

演奏も素晴らしくて、人柄も素晴らしくて。
天使か何かなのか?!って感じでした。

いろいろ片付けも終わって、
タクシーに乗ってホテルへ。

ミルベゼが友達と打ち上げするよと話したら自分もお酒は飲めないけど1時間くらい参加するよと言ってくれた。

めっっっっちゃ優しい😭

そこでも楽しくてあっという間。
当たり前だけどMARCの会話の中で出てくる共演しているミュージシャンの名前が本当にすごい人たちばかりで改めてこの人って本当にすごい人なんだなって思った。
MARCはよく半分冗談まじりで『自分の夢はstingと共演すること』っていうらしい。
そのとき『でも共演の夢が叶うと同時に僕は失望もすると思うんだ』と言っていた。

私はMARCと演奏する夢がかなったけど自分のテクニックのなさに失望もしたって伝えたら

『テクニックがあるかどうかは自分は興味ない』と即答してたのが印象的だった。

ただテクニックがあることはMARCにとってはなんの魅力もなくて大切なのは音楽を楽しむことと、相手の音をよく聞いて会話することなんだなと思う。

帰りに歩いてホテルまで送ってるとき
私がもう明日には帰っちゃうから寂しいと言ったら
『ちあきー。ぼくもだよー。』と言ってくれた。

もし、ミルベゼがフランスへ行ったらまた会ってくれる?って聞いたら

『会うも何も、君たちがフランスへ来るときは自分ががコンサートを企画するから一緒に演奏しようね!』と言ってくれた。

それが震えるくらい嬉しかった。
フランスでもMARCとライブできるなんてすごいことだよ!!ありえないよ!!!

ホテルに送ってまた明日ね!と言ってバイバイ。

帰り道に、自分のスマホで録音した今日のライブ音源を聴きながら帰った。

ちゃんと音で会話してるイキイキとしたとても良いライブで、MARCの優しいフォローが演奏のいたるところで伝って(たぶん私にしか分からない)その嬉しさと、明日にはMARCが帰っちゃうのかと思ったらその寂しさで涙が出てきて泣きながら帰った。

5日目 お わ り