第48日目-2010年1月31日(日)15:00~


今回はラベルを貼って表板を接着し、箱にする予定でしたが、ラベルを持ってくるのを忘れてしまいました。
ということで、ネックの作業を行います。


これまで大まかに彫って、それを丁寧に深く彫る作業を繰り返してきましたがこの続きの作業を行います。
スクロールの中段まで彫れていたものを最上部まで彫り進めます。
スクロールの幅が広い下部は大きな丸ノミを使用していましたが、上部に行くにしたがって小さなノミに変えていきます。
余計な部分を傷つけたり、削りすぎたりしないように注意して慎重に作業を行います。
最上部は彫るのではなく、シャープな印象を出すためにナイフで切り込みを入れる程度にします。


ここまで終わったら、全体を見て、削り足りない部分に手を加えながら形を整えていきます。
完成!と思い、ネックを回転させたり、作業台に置いて遠くから眺めたりしますが・・・
何かが違うことに気づきます。


左右対称に見えましたが、角度を変えて見るとスクロールの大きさが若干違って見えます。
左の方が掘りが深く、小さな印象で、右の方はあまり彫っていないので大きい気がします。
神経質になると、どこまでも削ってしまいスクロールの大きさが小さくなってしまうので、最低限の手を加えて同じ印象になるようにします。


目の錯覚か、見れば見るほど違って見えますが・・・糟谷さんに手助けしていただき、何とか完成。


ヨシミツのバイオリン製作日記


ヨシミツのバイオリン製作日記

第47日目-2010年1月24日(日)15:00~


クランプをはずしバスバーが接着されていることを確認します。
しっかりと接着されていました。
ブロックはバスバー接着の際に目安とするもので、もう不要なので取り外します。
瞬間接着剤で軽く接着しただけなので、ハンマーで軽く叩くとはずれて飛んでいきます。


次に、バスバーの曲線を作ります。
鉛筆で描いた横のラインになるようカンナがけします。
この際に、山の頂点部分が表板から1mm飛び出る程度の高さに調整します。
さらに、カーブのラインが自然な美しい流れになるように調整します。


これが完了したら側面を削って厚さを調整します。
バスバーは山の頂点部分の幅が3mmで底辺部分は6mmです。上から下に向かって徐々に広がるようなラインにします。


最初にカンナを使って頂点部分~真ん中くらいを削ります。
カンナの刃が底辺部分までないのと、表板のアーチがあるためカンナが当たってしまい下のほうは削れません。
ここは平ノミを使って削ります。
もう表板は薄くなっているので間違えて刃が刺さることがないように注意しながら作業します。
ヤスリがけをして面の凹凸をとって、毛羽立ちがなくなったら、さらに、バスバーの上下の先端部分をそぎ落とします。


通常は少しだけ落とす程度ですが、モラッシーはデザイン性や曲線美も追求して大きくそぎ落としています。
バスバーは通常目に付かない部分ですが、そんな見えない部分だからこだわりたい!ということでモラッシーと同じように形にします。
平ノミで不要な部分を落として富士山の裾のような反ったラインに仕上げます。


ここまで完成したら裏板に横板を接着したものに表板を接着して「箱」にする準備です。


表板の外周のラインはパフリングの作業をするときに整えましたが、角がカクカクしている状態です。
まずは横板と接する面の角を落として滑らかな仕上がりのラインにします。
金ヤスリを当てる角度を工夫し、2つの角度でヤスリをかけます。
普通、ヤスリがけをして角を丸める作業の場合、いろいろな方向からかけてしまいますが、ここでは削りすぎずに面を生かして美しいラインにするために、2つの角度のみで仕上げます。


さらに、ニカワを塗って表板を横板に合わせたときにずれないようにピンを打ちます。
裏板のときと同じ作業ですがピンの打つ位置だけ異なります。
裏板は1枚板だったので、上下のそれぞれ中央部分にピンを打つことが出来ました。


今回の表板は枚の板のハギがしてあるので、中央部分に穴をあけてピンを打つとつなぎ目が割れたり接着の強度が落ちる可能性があります。
表板は上部と下部のピンが左右にずれるようにします。
表板を横板に乗せて、位置を微調整しながらクランプで固定します。
微妙にズレがあったので、クランプを少し緩めて表板の位置を合わせてさらに固定します。


表板を上部と下部のブロックに届く深さまでハンドドリルで穴をあけます。
爪楊枝を回転させながらヤスリで削ってドリルの針と同じ太さにして差し込みます。


ちょうどいい深さになったら一度抜いて適正な長さにカットし、再度差し込みます。
ここで時間になり作業終了です。


ヨシミツのバイオリン製作日記


ヨシミツのバイオリン製作日記


ヨシミツのバイオリン製作日記


ヨシミツのバイオリン製作日記

第46日目-2010年1月17日(日)15:00~


表板の内側削りが完了したのでバスバーの製作を開始します。
バスバーは低音を出すための部分で、音に影響を与える重要な部分です。


表板のハギをするときに端材がでましたが、これを加工してバスバーに使用します。
バンドソーで表板から切り落としたままの状態なので、形を整えていきます。


まずは平面だしをします。作業台にクランプで板を固定して、両面のカンナがけをします。
この際に、厚さ6mmになるように調整しながら削り、平面になると同時にバスバーの厚さが整うようにします。


完成したら表板のどの位置にバスバーを接着するかを決めます。
通常はアッパーバウツから●、ロウアーバウツから●のところに接着しますが、製作家によって若干異なっているそうです。
低音に影響を与える部分なので、完成した楽器を弾いてみて、その結果から調整したのだと思います。
典型的なクレモナスタイルで製作をするモラッシーは音の響きを考慮して●の位置にずらして接着しているとのことで、自分も同じようにします。


最初に表板の基準となる位置に鉛筆でラインを引きます。
次に、表板の曲線をバスバーに描き写し、表板との接着面のラインを引きます。


接着面が平らではなく波打っているので、どうやって引くのかと考えましたが・・・
50円(5円)玉に鉛筆の先端を差し込んですべらせる方式で表板の凹凸をそのままバスバーに描き写します。
これをバスバーの両側に行い、バンドソーで切ってヤスリで整えればピッタリあう!という考え方です。


順次、この手順で作業を進めます。
バンドソーで切って、左右を取り違えたり、削る場所を間違えないように片側には「ABCD」、もう一方には「あいうえお」を記入してわかりやすくします。
そのうえで、カンナを使って表板とバスバーの凹凸が隙間なく密着するように削っていきます。


この作業が難しく、バスバーを削っては表板に当てて隙間を確認することを繰り返します。
1時間半ほどこの作業を繰り返しましたが、どうにも上手くいかず、糟谷さんに助けを求めて手伝っていただきます。
おおまかにで出来たところで、自分で仕上げの削りをして密着させます。


2時間が経過したところで何とか完成しました。
次回は接着の予定です。

ヨシミツのバイオリン製作日記


ヨシミツのバイオリン製作日記


ヨシミツのバイオリン製作日記


ヨシミツのバイオリン製作日記

第45日目-2010年1月10日(日)15:00~


前回までの作業でバスバーを表板に密着させる作業は終わっていました。
今日は早速接着!と思いきや・・・念のために確認をすると、まだズレがありました。


バスバーは音に大きく影響する部分です。手を抜いて作業をして後で後悔するくらいなら今やっておいたほうがいいので妥協せずに微調整を繰り返します。
削っては表板にあわせて密着するかを確認しますが、どうしてもずれが生じます。なかなかピッタリ合いません。削り方にも注意しますが、両者が平面ではなく、波打っているので、少しでも位置がずれると隙間が開きます。この位置あわせに時間がかかって面倒なのですが、そこは耐えて何度も挑戦します。


何度やっても上手くいかず、糟谷さんに手伝っていただきました。ほとんどピッタリとあう段階になったら、最後は自分で調整を加えて何とか完成。
それでも見れば見るほどあっていない気がしましたが、接着できて音にも影響がでない範囲だったのでここまでにしました。


次はニカワで接着するのですが、ここで一工夫。
ニカワを塗ると滑ったり、接着する正確な位置が見づらくなったりするので、固定るるためのブロックをつけます。


バスバーを切った際の端材を適当な大きさに5~6個カットします。
バスバーを接着する位置に手で固定したら、その両脇に瞬間接着剤を軽く塗ったブロックを接着します。


これが出来たらバスバーを抜き取り、ニカワを塗って、再度ブロックの間に戻します。
ニカワの温度が下がらないうちに表板用の特殊な形のクランプで表板とバスバーを固定してずれないようにします。


何とかバスバーの接着が完了しました。
ニカワが固まるまで1日かかるのでこのまま放置します。


まだ時間があったので、ネックの作業の続きをします。
余った時間でちょこちょこ進めてきたので、何とか大まかな形は整ってきましたが、荒削りでまだまだといった状態です。
今日はある程度形が整ったスクロールの部分をさらに掘り込んでいく作業を行います。


スクロールは単にぐるぐると渦を巻いているのかと思っていましたが、実は違いました。
よく見ると、掘りを深くする部分と浅くする部分が交差しています。この高低差によって美しく見せているのです。
これまでスクロールの荒削りをしてきましたが、丸ノミを使って同じような手順で徐々に深く掘っていきます。


スクロールの1/3くらいが荒削りしてあったので、その部分の作業を進めます。
左右対称になるように進めて、時間になったので作業終了です。
大きな変化はありませんが、少しバイオリンっぽくなってきました。

ヨシミツのバイオリン製作日記


ヨシミツのバイオリン製作日記

第44日目-2009年12月20日(日)15:00~


f字孔が完成したので表板の裏面のまだ削り足りない部分を削ります。


f字孔付近は、孔をあける前にカンナで厚さを調整し、スクレイパーでツルツルにしました。
この作業をf字孔の上部と下部に行います。
大まかには厚さが整っていますが、ところどころ厚い部分が残っています。一方で、既に削りすぎてしまい、薄すぎる部分もあります。
薄い部分は触らないように鉛筆でマークして、その他の部分を削ります。


さらに、表板は重さが決まっています。約72gが標準で、製作者によって若干前後します。
f字孔の上部と下部が整ったら、その周囲やf字孔付近も若干手を加えていきます。
削れば削るほど削りカスがでます。作業台の上が削りカスでいっぱいになり、相当削ったので再度表板を計りに乗せますが、ほとんど変化はありません。
ノミで削っていたときには大きな木片のような削りカスが出たのですぐに重さが変わりましたが、スクレイパーの作業では鰹節のような薄い削りカスしか出ないので、沢山削っても重さは大きく変わりません。


ひたすらスクレイパーで削り、ネック付近のブロックと、エンドピン付近のブロックまわりもギリギリまで削って軽量化します。
ただし、バイオリンの修理をするときに表板のオープン作業を行う場合、エンドピン付近から開けていくので、この作業のときに力がかかっても割れないようにブロック付近は削り過ぎないように注意します。


ここまでで本日の作業は終了です。


ヨシミツのバイオリン製作日記

ヨシミツのバイオリン製作日記