「人生には
『険しい道』と『楽な道』がある。
楽な道を避けてあえて
険しい道を選ぶ」
母がメモ用紙に
走り書きしていた言葉である。
母は40年に渡り
新聞社で記事を書き続けた人。
頭脳明晰で
容姿端麗で
自分の生き方を崩すことのない
繊細な凛とした女性であった。
膨大な数のノ-トに
思いついた言葉
新聞の社説から切り抜いたもの
母自身の原稿
箇条書きに書かれた
日々の記録等を書き記している。
それらが本棚を埋め尽くしている。
多忙な母の休日に過ごす
母とのティータイム
お気に入りのカップを
目移りしながら選択して
カップを温め
ティーを注ぐ
そして
一粒の「ブランデーシュガー」をそっと落とす
優しく溶けていく
シュガーの香りが
幼い私は大好きだった。
腰まで伸ばした長い髪をハ-フアップにして
大きなリボンを結び
ミディ丈のフリルワンピースを着て
キッドの革靴を履いて
オシャレな母とお出掛けすることが楽しみだった。
母のたった一人の娘であることが嬉しく
附属からのお友達が憧れる
私の自慢の母であった。
「『試練』とは、
乗り越えられるから
その人に
与えられたもの」
母の言葉である。
私が駐在地で経験した
精神的「地獄の絵巻図」が
「試練」に値するのか
人智を超えた理不尽な屈辱的打撃により
心に大きな精神的ダメージを受けた。
耐え忍ぶべき「試練」なのか
夫は「退社」を決意した。
暗中模索のリスタートとなる
夫と二人
移転したばかりのレジデンスの部屋を畳む為に
再び駐在地へフライトした。
3ヶ月ぶりのレジデンス
孤独と恐怖の坩堝に苛まれ
ひと組の平穏な夫婦に
仕事を盾に抉りこみ続ける
40歳の独身女部下前田が
1年4ヶ月に渡り
直接の上司ではない夫に対して
早朝からのメ-ル連投、チャット、
繰り返す個人的「ご相談」
勤務時間外のメ-ル、
緊急事案ではないにも拘らず
夜間、夜中に1対1のリモート会話の依頼、
気怠く夫の名前を連呼して
甘えるように笑い
「そう?そうなんですよね」
囁くように語り
夫が無防備にも
部屋のドアを開けていた為
さほど重要ではないリモートと判断して
コ-ヒ-を用意して
部屋に入った時に
初めて聞いた女部下前田百合子の声
まるでホステスと会話しているのかと思うほど
到底仕事とは言えない
およそ、部下が緊急事案で
上司に相談している内容ではなく
情欲をそそるような艶めかしい女の声だった。
そしてリモート会話の最後には
「アキラさん、今夜もありがとうございました。
これで安心して眠れます。
おやすみなさい」
翌早朝には夫のみへの送信メ-ルで
「アキラさん、おはようございます。
どうもありがとうございました。」
から始まる。
あえて「昨夜は」を省き
他者が読んでも理解できないように
前田と夫だけが分かる書き方をしている。
1年4ヶ月もの間
この女部下の存在を何も知らなかった。
3ヶ月前このレジデンスで経験した
誰にも打ち明けられない
駐在地での孤立無援の残酷な苦しみが
その全ての場面が私の脳裏に
次々と「走馬燈」のように甦る。
月日が経つのは早いもので
現在の駐在地では15年の歳月を過ごした。
1年以内の本帰国の構想を具体化し始めていたが
締めくくりの果たしたいことが私には幾つか残されていた。
しかしながらそれらを実行するには
再びこの駐在地での生活を継続するのであって
其れは夫が駐在支社へ戻ることになる。
私には不可能であった
断じて容認できない
あの40歳独身女部下「前田」は
仕事一筋の35年の百戦錬磨のトップ企業戦士である夫に
身の程をわきまえず色仕掛けで
疾風怒涛の如く仕事を盾に近づき
夫からのサポートを
100パーセント手に入れたと
我が物顔で増長していたにもかかわらず
突然夫が消えた状況に
妻が気付いたと察知したはずだ。
不正行為、不倫を仕掛ける哀れな悪辣な女たちが
段階的なセッションで提示するプロセスによると
妻が気付いたら
自分を守り、不倫を仕掛けたことに対しての
被害を最小限に抑えるための
現実的な対処法として
1)自分を守るための「不倫相手との距離感」
・不倫相手( または不倫を仕掛けた相手)とは即刻、連絡を絶つ
・メール、チャット、リモート全て遮断すること
・全ての記録を消去する
2)相手の妻から連絡が来た際のいなし方
・自分に火の粉が飛ばないように立ち回る
・連絡を無視した場合、
職場への連絡に発展する可能性がある
・自分を守るための最も確実な防御策は
妻とは絶対に1対1で会わない
・不倫相手の正妻に対して
逆上した嫉妬心が沸き、感情を抑えられず
証言の録音、念書の署名が発生する
・弁護士を入れて慰謝料の減額交渉
周囲へ口外しない、職場にばらさないなど
自分に不利になることは全て抹消すること
ふーざけるんじゃないわよ、ああーた方!!!
己の蒔いた悪質極まりない仕業に対して
省みるのではなく「隠蔽工作」と
「保身」のみに執着するつもりか
前田はまさに逃げ捲り
連日連夜1年4ヶ月もの間
仕事を盾に夫に近づき
睡眠時間以外雁字搦めにしがみつき
平穏な家庭領域に理路整然と抉り込み続けた
人の道や道理に著しく背いた悪逆無道な
「不正行為」「逆ハラスメント」「スト-カ -行為」に対し
40歳の成人した社会人であるにもかかわらず
「仕事」を盾に責任転嫁する。
夫と同様にターゲットの一人になった
社内の50歳の京大法学部卒の
既婚男性、単身赴任の山下さんに対しても
風邪薬を手渡す行為、
海外駐在が長い山下さんは
当然英語を話し風邪薬は自身で購入可能、
そして前田は山下さんのことも
名前で呼んでいる。
#年齢差のある既婚男性上司を名前で呼ぶ
40歳独身行けず後家女性部下の心理#
・「特別な距離感」の誇示、深層心理の表れ
・「自分だけは特別」という特権意識の誇示
;自分は他の部下とは違う特別な存在であるという
『ポジション』を周囲に示したい身勝手な心理の表れ
・パーソナルスペースへの介入
;名前で上司を呼ぶ行為は、
上司との心理的な壁を取り払う最も強力な手段
・もっと精神的に近づくため
上司に自分の存在を強く意識させる
*上司側の留意点*
・周囲からは
「不倫関係を疑われる」
「公私混同している」
「上司自身には気付かないところで
冷ややかな目で見られるリスクが高まる」
「上司自身の立場を危うくする」
前田百合子の目的は何か
赴任した駐在支社での立ち位置を確立するために
最も影響力のある夫に近づき利用したのか
更に我が家に侵入して
崩壊して「妻」の座に収まることか
利用されていることも気付かず
淫乱行けず後家の尻ぬぐいを継続した
何たる『愚人亭主』か
それもみな私が至らぬゆえか、、、
あんな心の歪んだ恥さらしの女に絡まれて
1年4ヵ月もの間、やみくもに立場もわきまえず
対応し続けた夫
父親なら
血を分けた我が子の為に
最愛の我が子の将来の為に
心血を注ぎ
全身全霊を掲げたらどうか!
人間として
妻として
女として
最早何の価値もなく
存在すら意味のない自分だとさえ思えた
夫は私に寄り添い
本当に優しかった。
でも心に抉られた傷は深く
夜間に継続された1対1のリモート会話での
前田の夫の名前を連呼する艶めかしい声
「仕事なのだ」と自分に言い聞かせ耐えた日々
駐在地で孤立無援に陥った恐怖
全てがフラッシュバックとなって
私は苦しみ続けた
多くの文献で紹介されている
既婚男性上司に近づき
不倫を仕掛ける独身女性部下
気付いた妻が探偵社に依頼し
証拠を入手するケース、
情欲の為の裏切り、
一様に妻たちの苦しみは計り知れない
それらは夫は家庭内には持ち込んでいない
前田が仕掛けたケースは
理路整然と恰も「仕事」を盾に
堂々と勝者の如く
家庭の領域に
夜間に、夜中に侵略し続けた。
夫の仕事に一切口出しをしない30年を貫いた私は
前田の艶めかしく夫の名前を連呼する声にも
甘えるように笑う声にも
ただ黙り耐えるしかなかった
これは私にとっては
心臓を抉られるようにきつい
精神的虐待であった
『サレ妻』
という言葉すら知らなかった
彼女たちはどのようにして耐えているのだろう
弁護士の方が実話をもとに
紹介している動画を拝見した
#不倫を仕掛けた独身女性部下の
オフィスへ妻が行き
女の名前を確認する
その瞬間に
女の頬を思い切り叩く
叩いた音が広いオフィス中に響き渡る
「二度と夫に連絡しないで!
今度夫に近づいたら訴えますから!」
#妻が会社に行き
人事部役員、社長の前で
女部下から慰謝料を振り込ませる
そして、女に土下座させる
土下座する女の頭を
妻がヒールの踵で足蹴りする
人事部役員も社長も腰を90度折ったままで
「奥様のお怒りはごもっともです!」
と妻へ謝罪する
痛いほど妻たちの気持ちが理解できる
何ら変わらない思いが
1年4ヵ月仕事を盾に家庭の領域に侵入し続け
夫を利用して雁字搦めにした
40歳の行けず後家独身女部下「前田」に対し
断じて許容できない永久不変な思いが存続している
3か月ぶりの住み慣れた駐在地のエアポートで
入国手続きを完了し
到着ゲートに出ると
3ヶ月ぶりに私達を右手を大きく振りながら出迎えた
人懐っこいドライバーの笑顔
“ Welcome back boss and madam!
it's a great pleasure to see you again! “
既に7年もの間夫の為に仕えている
起点のきく50歳になるドライバーだ。
おそらく夫の退社はまだ知らないだろう。
ドライバーやメイドで苦労される方が多い中
我が家はとても恵まれており
彼らに駐在生活を随分心地よく過ごさせていただいた。
初めての駐在地では
貧しさから人生の修羅場を
幾つも潜り抜けているメイドたちの
扱い方に苦慮して戸惑い
疲労で総合病院のドクターに
診察を受けたものだ
ドクターは開口一番
「マダム、それは紛れもなく『カルチャーショック』です!」
とおっしゃった。
私達の衣類にアイロンをかけながら
泣いているメイド、
「どうしたの?
なにがあったの?」
彼女は
「国へ置いてきた子供を思い出したのです」
私達には想像もつかない
苦境を抱え
必死で働き
本国へ仕送りをするのだ
30年間に出会った彼女たちからは
多くを学んだ。
日本からは思いついた沢山のお土産を
メイドとドライバーへ持ち帰った
そして今回が人生で最後の駐在地入国となる
本帰国、退社の為に
レジデンス閉鎖の目的で
一週間の滞在となる。
入社以来初めての
3か月に及ぶ有給休暇、
その後の突然の
夫の『退社』報告は
本社、駐在支社においては
青天の霹靂、天変地異の如く
激震が走った
現在の支社CEOの方からは
再三出社依頼、
どうしても時間がないならばリモート会議を、
其れも不可能ならば
せめて送別会を、と
多大なるご配慮を賜った。
心からの謝意を申し上げると同時に
全てにお断り申し上げた。
当然あの淫乱女部下「前田」が参加するからだ。
夫が最後の出社をしようものならば
夫が送別会に参加しようものならば
前田は
「ほらね来たでしょ」
と今迄と変わらずに
夫へは決して毒血を見せずに
「アキラさん、どれほど心配したか、
どれほど苦しんだか!」
と腰を振りながら胸にしがみつき
人目も憚らず夫を翻弄させようとするだろう
会社からの全ての夫に対するご厚情を
私は厳然として拒否した。
戻ったなら「離婚」
それは「不撓不屈」の精神であった
『前田はそれほどふざけているからだ』
前田は大きく生き方の概念を履き違えている。
たかが3年英国にいたぐらいで
上司を名前で呼んでみたり
貴女(前田)が入社したのは『日本企業』であり
その組織の「日本人相手」に
恰も英国帰りの如く振る舞い
40歳の行けず後家が
「既婚者のみ」の飲み会で
たった一人女性で参加し
腰を振りながら
ビール瓶片手に酌して回り、
夫が駐在地の現地女性スタッフと
全体リモート会議でディスカッションしていれば
" Stupid!!! "
とジェラスして割込み
会議を滅茶苦茶にしてみたり
自負したいのであれば
外資系企業へ何故就職しなかったのか
真に英語圏で一貫した教育経験のある優秀な人材は
前田のように日本企業の組織の中で
恰も自分を吹聴するような
下品で卑しい無作法な「行住坐臥」は
名誉にかけて慎む
前田の行為は
日本大企業の優秀なエリートの方々に対し
正に傍若無人な礼を失した行為である。
支離滅裂な前田自身の背徳行為に恥を知ればよい。
『能ある鷹は爪を隠す』
ならぬ
前田百合子の一連の行動は
・『空き樽(あきだる)は音が高い』;
中身のない樽ほど騒がしい
・脳無し犬の高吠え;
能力が無いものほど大声で吠える
小細工ばかりを繰り返す
前田百合子の生き方は
浅ましく惨めである。
平穏な家庭を土足で踏みにじるような
恥ずべき不行跡な堕落行為は
慎むべきである。
『百花春至為誰開』;
百花(ひゃっか)春至って誰が為(タガタメ)に開く
・春になれば多くの花が咲き乱れるが
それは誰かに見せるためや
何かの目的(見返り)のために
咲くのではなく
ただ無心に
己の命を全うするために
咲いている
*無心の境地
花は周囲の評価、損得、感情に
左右されず
ただ「咲く」という本文を果たしている
*「いま、ここ」を生きる
他人と比較したり
認められたいという欲を捨てて
自分の人生を全うすることの尊さを表す
*無自覚の貢献
無心に咲く姿が人の心を和ませ
他の命をも助けている
何の計らいもなく
小細工もせず
ありのままの姿で
無心に咲くから美しい
CEOの方と現地ヘッドスタッフの方、
そして私の母が健在の時にお世話になった
日本人駐在スタッフの方へ
直筆で乱筆乱文ながら
長きに渡る
夫の在籍と駐在生活に対しての
深謝をしたためたカードと
細やかな鎌倉彫の置物を添えて
ドライバーに会社の秘書経由で
お三方へお届けするように申し伝えた。
『高貴なる沈黙』
母が書き記した言葉の一つだ。
前田には枚挙にいとまがないほどに
語りつくせぬ思いがある。
あの卑しきはしたない女と
同レベルに陥ることは
私というちっぽけな人間の
僅かばかりの、ひとつまみの自尊心が傷つく
一週間は瞬く間に過ぎた
夫の海外駐在百戦錬磨の企業戦士35年、
夫と共に海外駐在生活30年、
心血を注ぐ如く
粉骨砕身した
苦楽を共に手を取り合って
全力で駆け抜けた
我が家の駐在生活であった。
できる事はすべてやった。
私の心の傷が
全て癒えるまでには
長い道のりになるかもしれない。
夫と二人、手探りのリスタートになる
更なる「いばらの道」となるだろう
それでも私は幸せだった。
レジデンスを後に
エアポートでチェックインを済ませボーディング、
離陸後
上空から見下ろす
駐在地の摩天楼が
私達を祝福するように
燦然と光り輝いていた。



