何もかも全て手離そう
名残惜しいし
忘れてしまいたくない
楽しかった出来事を
忘れたいはずはない
大切にしまっておきたい


けれど
ひとつ ひとつ
優しく解き放っている
解き放つほどに
幸せを噛み締めている
今 目の前にある現実が
偽りのない 自分の人生だと




この数ヶ月 考えてみて
二人の関係を肯定する事は
お互いが個々に築き上げてきた
人生そのものを否定してしまう
そんな気がしたから


ジョリーを否定したくはない
自分を否定されたくもない

否定するような人間を
好きになったりなんかしない
そこを大前提に踏まえた上で
だからこそ 全面的に否定する



当たり前の日々と暮らしを
否定するような関係でも
何ものでもないという事実


好きでも 愛していても
伝えあってはいけない間柄
どうして友達のまま
いられなかったんだろう?
いや 伝え合えただけ良かった
葛藤しながら過ごしてきた


抑えられなかったなんて
ただの言い訳でしかない
そんな言い訳が通用するならば
不倫とか浮気に対して
誰も悩みやしない


心が痛むのは当たり前
綺麗事抜きで考えてみて
真正面から受け止めた時
シビアにそう思った



形にならない 形に残せない
確かに愛を感じた時


いけないと思えば思うほどに
秘密が甘くて美味しくて
癖になってやめられない
そんな 既婚者同士の恋物語


許されるのはドラマだけ
ハッピーエンドなのもドラマだけ
自身と家族を傷つけるだけ




本当に本当に心から
好きだった 愛しかった
恋も愛もなくなった
親愛になって 他人に戻った


良い意味でも 悪い意味でも
お互いに嘘が下手くそで
しなくていい苦労ばかり


"都合が良い女だなんて
思った事は一度もない"

いつもジョリーはそう言った


"都合の良い女だよ"


そう言えたなら
どんなに楽だっただろう


言わせていたんだろうな
申し訳なく思う


上手く嘘がつけたなら
失わずに済んだのかな
なんて
汚れた自分が見え隠れしても
それは良くない事だって
今なら瞬時に判断がつく


なんとなくズルズルと
繋ぎ止めてしまったのは
お互いに弱かった


スタートラインに立った時
目と鼻の先に
"別れ"というゴールが見えた
毎晩毎晩
目も耳も塞ぎたくなった
わかっていても
恋焦がれてしまって情けない



二人の関係を肯定する
今までの道程を否定する
否定したい
家族を捨てる
否定はできない


関係に行き詰まった時に
何回も何回もそんな話をして
その時点で二人とも
辛くて苦しかったんだろうな


痛い思いをするのは当たり前
社会的制裁を喰らわなかった
自分もジョリーも罰当たり
免罪なら免罪なりの生き方を
同じ過ちは二度と繰り返さない



別々に歩む人生を
他人に戻った日々を
心の底から肯定したい
なぜなら
今目に見えている事が
紛れもなく 偽りのない
真実であるから
真実だけを愛していきたい



どんな愛惜しい日々も
相手がどれだけ好きだったとか
自分がどれだけ好きだったとか
この場所で巡り合ったとか
泣いた事 笑った事


"全てなにもかも
違う 勘違いだった"


そう言えた瞬間に
この関係に初めて
存在意義があった
そんな気がして