冷蔵庫の中を見て認知症を疑い始めた矢先、

毎晩のように「財布が見つからないのよ」と言う

電話がくるようになった。


末妹と一緒に実家へ行き財布を探す夜が続いた。


最初は押し入れの引き出しや布団の下にあることが多かった。丁寧にチラシに包んで天袋に入っていたこともあった。

幸い、「盗まれた」とか誰かを疑うようなことはなかったけれど頻繁にかかってくる電話にうんざりしていた。


数ヶ月くらいで「財布がなくなった」という電話はなくなりしばらくは平穏だったので病院へ連れていかなければという焦りも消えてしまった。


でも忘れた頃にまた新たな異変が起き始める。