元々スケジュールや待ち合わせの場所、時間をカレンダーに書き込む母だった。
物忘れが始まってもその習慣は変わらなかった。
しかし、ある時期からカレンダーに書き込んだスケジュールが意味を成さなくなりだした。
日付や曜日の感覚がなくなり始めたようだった。毎週水曜日の午前中の卓球サークルには行けていたようだったが、ポツポツと入る予定はカレンダーに書き込まれるだけで生かされることがなくなった。
その頃からごみ出しも決められた曜日に出せなくなり、集積所に指定日外のシールを貼られ置き去りになった母のゴミ袋を私が持ち帰るようになった。分別のゴミ箱にそれぞれ曜日を書いても無意味だった。
電話で話した内容をメモするのも母の習慣だったが、要点をメモすることができなくなり電話を切った後にまた確認の電話をしてしまうことも増えた。
いよいよ運転免許返納を切り出さねばと妹と話した矢先に停車中の母の車にバイクが突っ込む事故が起きた。