もの忘れが目立つ頃から、実家に加齢臭がこもるようになった。

車を運転していた頃は車内も加齢臭で正直きつかった。


父は毎日入浴するし、クーラーをつけていないときは一年中、部屋の窓を開けている人だったので父がいた頃は部屋の匂いを意識したことがなかった。


しかし、母は家にひとりのときは一階から二階、トイレや風呂場まで誰か家族が帰宅するまでは全ての窓の鍵を閉めてしまう人だった。


独居が始まったら一日中、窓は開けなくなった。


加えて、父のタイミングで沸かしていた風呂を一人になってから沸かさなくなったことに気づいた。

そういえばいつも同じ服を着ていると思い、洗濯はどれくらいの頻度でしているのかも疑問に思った。


人に指摘されることを極端に嫌う母に体臭のことを指摘するのは勇気が必要だった。


ストレートに臭いと言いたかったが、とりあえず父がいなくなってから入浴や洗濯はどれくらいの頻度なのか聞いてみた。


「パパがいないからお風呂は正直2、3日おきかな?洗濯物も私ひとりだから1日おきよ。」


と、これが事実なら許容範囲だ。


でも、それから気にして様子を見ると実際には洗濯物を干している様子がないし洗濯機の中も空っぽの日が続いた。

浴槽にはあきらかに濁った水が溜まっていたので黙って抜いてみた。


卓球のある日を狙って母の帰宅に合わせて実家へ行った。


「汗かいたからお風呂に入っちゃえば?ついでに洗濯機も回しちゃえば?」


と、言ってみたがスルーされた。



三女と作戦を練ることにした。