母のプライドを傷つけずに入浴してもらうには慎重に言葉を選ぶ必要があった。


三女と相談した結果、孫の子守りがてら入浴を頼むという作戦に決定した。


実家の浴槽はステンレスの古い据え置き型で肩まで浸かる深さがある。三女の当時5歳の長男、太郎(=仮名・母にとって初孫)はこのばあばの家の浴槽の中に潜ったり回転するのが好きだった。


三女は同窓会で遅くなるという設定で母に太郎を預けた。わざわざ言い聞かせずとも太郎が風呂に入りたいとねだるのはわかっていた。


翌日、三女が太郎を迎えに行くと浴槽には入浴剤の入った水が張られ母も太郎も前日とは違う服を着ていた。更に洗濯物も干してあると連絡がありほっとした。


さて、今後も入浴を継続するにはどうするか…


やはり孫の力に頼るのが確実で波風も立たないということで幼稚園が休みの前日に太郎のお泊まり作戦を継続することになった。

欲を言えば週に2、3回は入浴して欲しいというのが本音だったが仕方がない。太郎の夏休みや冬休みには頻繁にお泊まりしてくれた。


部屋の加齢臭問題は解決しなかったが入浴と洗濯は少なくとも週に一度はできるようになった。