イキって本を読んでみようと思い328冊目に入りました。
今回読んでみたのは「車輪の下」(ヘルマン・ヘッセ 作 高橋健二 訳)
ヘルマン・ヘッセさんといえば中学の国語の教科書に載っていた「少年の日の思い出」ですね。
『そうかそうかつまり君はそんなやつだったんだな』というやつです。
中学の頃みんな言ってました。
「羅生門」の『この髪を売ってな』とか、「故郷」のヤンおばさんとか中学の国語はいろいろネタが多いですよね。
今回読む作品はそんなヘルマン・ヘッセさんの長編小説だそうです。
それでは感想を書き散らかしていこうと思います。
適当なあらすじ
田舎町で秀才と呼ばれている少年ハンス・ギーベンラートは、周りからの期待に応えるため名門神学校を目指すことにした。
大好きな釣りも我慢して勉強に打ち込んだ結果、学年二位という好成績で神学校に合格することができた。
しかしハンスは、学校の厳しい規則や、せっかくできた親友が退学したことなどから精神的に疲れていってしまう。
授業にもついて行けなくなったハンスはついに休学(事実上の退学)を勧められる。
地元に帰ったハンスは職人に弟子入りして人生をやり直そうとするが……。
この下ネタバレありの感想
↓
「少年の日の思い出」の作者だけあって思春期の心情描写がエグい。
あの10代の頃特有の自信と未熟さと劣等感が長編でお出しされるとエグいですよ。
本当に……。
地元トップの秀才が進学校に行ったら自分以上の天才が当たり前にいて打ちのめされたというとよく聞く話ですが、物語で全部追体験するとキツいです。
しかし天才と戦える土俵に立てるのがすでにすごいと思ってしまいますね……。
優秀な人にも苦労があるのでしょうか。
まあ地元で1位だったからこそプライドを折られたときが辛いのかもしれません。
あとハンスくんは友達のクジャクヤママユを粉々にしたりしなさそう。
むしろ地元ではハンスくんをエーミールみたいに思ってた子もいそうです。
そんなハンスくんも神学校でそうかそうかを味わう(?)ことになります。
そうかそうかを味わうというのは私の造語ですが、なんというか…「少年の日の思い出」の主人公みたいに若さゆえの未熟な自尊心が打ち砕かれるというか……。
周りの期待に応えるために勉強し、優秀な成績で神学校に入学したハンスくんは、寮でハイルナーくんという同級生と出会います。
ハイルナーくんは授業中は教科書に落書きばかりしていますが優れた詩の才能を持つ天才型で、努力型の秀才のハンスくんとは正反対の人物です。
正反対のライバルキャラが出てくるのは学園ドラマの王道で熱いですよね。
二人は一回絶交したりとかいろいろありましたが大親友になります。
ハンスくんとハイルナーくんの友情がとてつもなく濃い。
ものすごいブロマンスというか……。
何というか……。
普通に口と口でキスしたりしていてびっくりしました。
ドイツの友情ではこのぐらいの距離の近さは当たり前なのでしょうか?
親友のハイルナーくんが退学になって、孤独になったハンスくんは勉強に集中しようとしますが、授業にも追いつけなくなっていきました。
これはハンスくんが名門校のレベルに合っていなかったというよりも、ストレスで集中力が無くなっているみたいな感じです。
ハンスくんはもともと周りの期待に応えるためだけじゃなくて、本人も勉強が好きで努力を楽しんでいました。
でも大人たちが『ハイルナーみたいな奴とつるんでると成績下がるよ』みたいに圧をかけてきて、学校での生活に疲れていきます。
周りの大人がみんなこんな感じだったら確かに疲れるよ……。
地元に帰って療養することになったハンスくんは、かつて好きだった故郷の自然に久しぶりに触れて回復していきますが…
お父さんが帰ってきたハンスくんを明らかに持て余してる感じが読んでいてしんどい。
職人に弟子入りして歯車を磨く作業に活路を見いだすけれど、自分が学校に通っている間に職人の修行を積んでいた同期との差に悩むことになります。
そういえばドイツって進学のコースと就職のコースが分かれるのが早いんですよね。
進学のコースを選んだのに途中で挫折した人の就職は大変なんだろうなあと思いました。
職人の仲間に受け入れられてこれからというときに事故死するという救いのない終わり方で驚きました。
救いがなさすぎない…?
人生やり直せないのか……。
別に何も悪いことしてないし、ただ勉強を頑張ってきただけなのに……。

