イキって本を読んでみようと思い203冊目に入りました。

今回読んでみたのは「四人の署名」(アーサー・コナン・ドイル 作 深町眞理子 訳)


シャーロック・ホームズシリーズの原作を読むのは初めてです。

ディーンフジオカさんの実写版と竹内結子さんの実写版は観ました。

イギリス人のシャーロック・ホームズを見るのは初めてなのですが、いったいどんな人なんでしょうか?

それでは感想を書き散らかしていこうと思います。



適当なあらすじ

探偵のシャーロック・ホームズは退屈しのぎに麻薬を打って相棒のジョン・H・ワトスンに怒られていた。

そんな二人のもとにメアリー・モースタンさんという女性から依頼がくる。

父親が失踪して以来毎年、謎の人物から大粒の真珠が送られてくるのだという。

ついに謎の人物から呼び出しを受けたメアリーさんは、二人にその待ち合わせ場所までついてきてほしいと頼む。

二人はメアリーさんとともに待ち合わせ場所のライシャム劇場へ向かうが…

これがインドの財宝をめぐる大冒険の始まりだった!



この本はミステリーなのでネタバレが嫌な方はご注意ください。


この下ネタバレありの感想







開始1ページでいきなりコカインをキメていたので困惑しました。

コカインをキメるな。

えっ、ホームズさんってコカインをキメてるんだ!?

何も知りませんでした……。

ごめんなさい。

そういえば今まで私が見てきたホームズさんは全部、現代日本が舞台の翻案ドラマだったなぁと納得しかけてました。

19世紀イギリスでは普通だったのかも…

と思ったら、ワトスンさんが『やめろ』と激怒しています。

19世紀イギリスでもアウトなのかよ。


依頼人は謎の美女だし、隠し財宝は出てくるしでワクワクしてきました。

インドの財宝ですよ!

金銀やエメラルドがぎっしり詰まった宝箱を探して大追跡劇を繰り広げます。

そのうえワトスンさんは依頼人のメアリー・モースタンさんに恋をしているようです。

冒険ありロマンスありのフルスピードの探偵小説です。


密室殺人が起きた!と思ったら、ものすごい速さで抜け道が見つかってスピード感がすごかったです。

本当にもうちょっと密室殺人で引っ張らなくていいんですか?というぐらいのスピード解決です。

すごいよホームズさん!

これから暴れるから密室ぐらいで立ち止まってられねえよ!とでも言わんばかりのフルスピードぶりです。


抜け道から消えた犯人を探すため、犬に事件現場の匂いを覚えさせて犯人を追跡することになりました。

探偵犬・トービーくんの大活躍です。

このシーンでなぜかホームズさんが急にハイテンションになって面白かったです。

行くぞ、ワン公!いや、トービー大明神様だ!行けっトービー!嗅ぐんだ!』とノリノリではしゃいでいます。

わんこを触ってごきげんなのでしょうか?

犬にごきげんのおじさんたちはかわいいですね……。


〈木の義足の男〉といういかにもな怪人が登場してきました。

なんだか昔の探偵小説には木の義足か義手をつけている怪人が多い気がします。

横溝正史の小説によく出てくるイメージ。

今では人の身体的特徴を怪しさに結びつけるのはもちろんアウトですが、昔は戦争の影響で義足や義手をつけている人が多かったのも関係しているのかもしれません。


殺人にトリックも何もないストロングスタイルで笑いました。

『ハッ!この凶器は…未開人(原文ママ)の吹き矢!』みたいな感じで一瞬で凶器を特定してそれで終わりです。

毒吹き矢が強すぎる。

未開人て。

謎の東洋人だの人食い部族だのが次々に登場してきて、19世紀イギリス基準のコンプラ意識を直で浴びせられます。

オリエンタリズムとか社会ダーウィニズムとかがいろいろ…うん。

アウトのセリフしか出てこん!

19世紀……。


ホームズさんは変装したりボクシングしたり少年探偵団を率いたりと大活躍です。

探偵ってすごい。

子供の頃読んでた江戸川乱歩の「少年探偵団」みたいでワクワクしました。

変装して戦う名探偵ってカッコいいですよね。


メアリーさんを励ましたいのに、『財宝目当てに言い寄ってきた奴だと思われるかも…』と悩んで話しかけられないワトスンさんが可愛かったです。

がんばれ!


クライマックスでは船で海上チェイスしながら吹き矢vs銃のバトルが始まって盛り上がってきました。

こんな船上毒吹き矢バトルがある感じの話なんですね……。

犯人よりも毒吹き矢使いの謎外国人のほうが強そうに見えてきます。

犯人が捕まるシーンの挿し絵が大迫力で面白かったです。

グワーッ!(⁠┛⁠◉⁠Д⁠◉⁠)⁠┛⁠


犯人が逮捕されてから取り調べ室で動機を語るシーンがかなり長く続きます。

19世紀イギリスでインドの財宝ということでなんとなく気づいていましたが、イギリスによるインドの植民地支配が動機に関わってきます。

『セポイの乱』というインド人傭兵による反乱があったことを初めて知りました。

犯人は白人として現地民を搾取する立場だったけど、体の不自由な貧しい労働者としての立場でもあって、難しいですね……。

ショルトー少佐の死は植民地主義の報いなのでしょうか。

さっきまで東洋人への偏見描写はものすごかったけど、作者がイギリスの植民地主義についてどう思っていたのか気になります。


相棒が結婚した寂しさから再びコカイン生活に逆戻りするホームズさんが可愛かったです。

この人相棒のこと好きすぎるじゃん。

コカインに始まってコカインに終わるオチは笑いました。

ワトスンさん好きな人と結婚できてよかったね!



初めて読んだシャーロック・ホームズの原作本はなかなか暴れ探偵でびっくりしました。

知ってる実写のビジュアルで脳内再生してたらカオスでした。

だって…ディーンフジオカさんだよ?

竹内結子さんだよ?

コカインキメて犬ではしゃぎながら毒吹き矢バトルしてたら面白すぎます。

原作…すげえ。


またシャーロック・ホームズシリーズの作品を読んでみたいと思いました。

次は「緋色の研究」を読んでみたいです。