日出処の天子 | 中島陽子のフリーダムなブログ

中島陽子のフリーダムなブログ

日々想った事・購入した品のレビューなど
お届けする、ゆるーいブログです。

捨てられない漫画②





$中島 陽子の〔And ...〕


*日出処の天子
山岸涼子



◆ストーリー概要

本作は、飛鳥時代を背景に、政治的策謀をめぐらす厩戸皇子に毛人(馬子の長子として描かれている)をはじめとする蘇我家の人々や、崇峻天皇・推古天皇らが翻弄される形で話が進んでいく。

ある春の日、14才の蘇我毛人は天女と見まごう美しい女童に偶然出会い、ほのかな恋心を抱く。それは実は10才になる厩戸皇子であった。年若くとも非凡なる教養と才能、政治的手腕、威厳を持つ厩戸は並み居る臣下からも一目置かれる存在となる。しかし厩戸は自らが持つ不思議な力ゆえに、実母の穴穂部間人媛に恐れられ疎まれており、母から愛されない事に苦悩していた。同じく厩戸の不思議を感知した毛人は、時折垣間見る厩戸の孤独に心を痛める。尊敬と畏怖と好意を持って厩戸に接する毛人だが、厩戸にとって毛人は自分の持つ超能力を共有できる唯一の不可欠な存在であった。しかし毛人は無意識下でしか超能力を引き出せず、自分の能力を自覚していない。

厩戸の毛人への思いはやがて愛へと変わってゆき、毛人も自分が厩戸に惹かれていることを感じるが、やがて石上神社の巫女であった布都姫と出会い、恋に落ちてしまう。

厩戸は嫉妬に悩まされ、策謀を巡らして布都姫を殺害しようとするが、毛人に気づかれる。今までの諸事に厩戸の策略があったことを悟った毛人は、厩戸に「二人が結べば万物を自由に動かす力が実現され、この世を意のままにできるから共に生きよう」と説得されるが、毛人は「二人が共に男として生まれたのは一緒になってはいけない運命だからだ」と答え、苦渋の内に厩戸から離れ、布都姫を選ぶ。

作品は厩戸が孤独の中に残される一方、政治的実権を握り、遣隋使を発案するところで終わる。


この時代背景が好きなのもあって買い揃えた。
とにかく面白い!
厩戸皇子(うまやどのおうじ)は不思議な能力を持ち合わせていたが故に
孤独な子供だった。母でさえ愛情を与えてくれなかった。
この"母の愛情"が全ての発端。


毛人(えみし)は曽我馬子の息子。
彼も能力があるが自身気が付いてない。


厩戸皇子は母が自分を避けていた事もあり
女性不信。
毛人を人知れず愛すようになる。

一方、毛人は厩戸皇子の気持ちに気付かず
伊勢の斎宮、布都姫(ふつひめ)と恋に落ちる。

嫉妬のあまり、布都姫殺害を企むが
毛人に妨害される。


「王子!何故、こんな事を!!」

「・・・本当に・・・分らぬのか・・毛人・・」

厩戸の瞳から泪が伝う。


ううっ可哀想過ぎる~。


最後の決別の日、

「二人が共に男として生まれたのは一緒になってはいけない運命だからだ」

と言い残し、厩戸の元を去る。

背中を向けたまま、毛人が去る足音を聞く厩戸。

地面がひび割れる。


ううっ可哀想過ぎる~。


この"ひび割れる"と言う描写が、彼の気持ちを凄く表していて、泣ける。




漫画を読んだ後、次に上演する演目が近い時代だった事もあって奈良に出向いたのね。
法隆寺は静かで厩戸が籠った"夢殿"も見ました。
私は"手白香皇女"を演る事が決まっていたので彼女の
お墓も行きたかった。
地位がある方なので、所作が・・。
しかも、衣装、重い・・。