◆神尾玲人
美容室「シナーレ」のオーナー。
物腰は柔らかで色気がある。
ヒロインをもてあそぶが、
本当に抱くことはなかった。
何故なのか・・最後まで分からなかった。
誰も信用しない、誰も愛さないかわりに
何も得られない可愛そうなオトコ。
この時のヒロインは
本当にバカ
色々怖い環境であったにしろ
このオトコの挑発にマンマとハマるなんてね。
ただ・・
彼と彼の店を救う為に
何の見返りも求めず
「・・・誰がそんな事を頼んだ。」
感情を表に表さない神尾だが、このときばかりは
冷たい低い声で言う。
「俺の為に分かれたダンナに頭を下げた?良くそんな真似ができたな」
「それで君は何が欲しい?時間?愛情?それとも抱かれたいとでもいうもりか?こんなことで俺が手に入るとでも?」
「そんなこと思ってない。貴方からなにもいらない。何も欲しいものなんかない。ただ、私はこのお店と・・貴方が、好きなだったから。できるなら守りたいと思っただけ。それが貴方のプライドを傷つけたのなら、ごめんなさい。」
「傷つけた?傷つけたなんてもんじゃない。俺は!!」
神尾の頬を一筋、涙が伝う。
どうして泣くんだろう。
この涙の理由は何だろう。
「・・・貴方からは、何もいらないの。慎一郎も私も。貴方の人生に二度と関わらない。貴方はなにも傷ついてない。元通り、このお店を続けて。」
神尾は呆然とヒロインを見つめる。
・・女が泣くのなんか、散々見てきてるはずなのに
この時のヒロインは
かっこいい!!
無償の愛ほど
強いものはない!!
慎一郎とも別れ
神尾とも別れ
彼女は一人で生きていこうとするが
神尾と偶然あって・・
大人の愛だなぁ~と感じたラストだった。