まさかヨシヒコでこんなこと書くなんて思わなかった | Rolling Dogs

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のんびりぽつぽつ徒然に。AliceSoftと5927、GG。

宿屋の奥まった一室。秘めやかな衣擦れの音がする。

「このような感じで、どうでしょう」

「おお。中々似合っているではないか、ヨシヒコ」

「ダンジョーさんこそ、……美しい」

ここにメレブがいれば、「なに?なんなの?その間は。やめてよ、怖いよ」くらいのつっこみはしてくれたかもしれない。しかしここにいるのは勇者と剣士の二人だけ。宿屋から借り受けた女物の衣装に着替え、向かい合って座っている。

ヨシヒコの傍らには、やはり宿から借りたのだろう、化粧道具が一式揃っている。化粧筆を手に、ヨシヒコが身を乗り出した。ダンジョーが、気圧されたように身を引く。


「髪も変え、服も、このように着替えました」

「ああ」

「最後の仕上げに参ります。ダンジョーさん、目を閉じて下さい」

「う、うむ……」

気乗りしない態で、ダンジョーが目を閉じる。

「……」

「なぁ、ヨシヒコ……」

「…………」

「さっきから、何か生温かい風が顔に当たるのだが……って近っ! ヨシヒコ、顔が近っ!」

「美しい……。ダンジョーさん、ダンジョーさん……!」

「寄るなぁぁぁ! ヨシヒコォォォォォ! それ以上寄ると、斬るぞぉぉぉぉ!!」


障子を通して入ってくる日の光は、優しい。

「なんかさぁ、あの二人、遅くね?」

「仕方あるまい。慣れないことゆえ手間取っているのであろう」

「よし、やっぱり女子として手伝いに行く」

「やめておけ。お前が行くと、ややこしい事態がさらにややこしくなる」

「なんだよ、それ」

立ちあがりかけたムラサキが、文句を言いながらも座り直す。悟った目をしたメレブは、知らぬが仏、と呟いた。



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私、第一章からヨシダンを提唱しておりました。ヨシヒコが思いの他肉食系になりました。ダンジョーさんはいまのところ貞操を守っています。