こんばんは。
人間科学の専門家として総合病院ではたらく臨床心理士、五十嵐です。
以前、「学び」シリーズをはじめました。という記事を書きました。
今日は、患者さんの自己決定をどのように支えるのか、ということに関して、本から得た知識を少し共有できれば、と思います。
医療には、さまざまな選択場面が生じます。
療養場所の選択、治療法の選択、ある治療をするかしないかの選択、そして、治療によって変化を迫られる生活の選択などなど。。。
現代の医療は大きく革新を遂げ、薬剤や医療機器、治療法がどんどん生み出されてきました。
それがゆえに、患者さんが選択場面に出会うことは以前より増えているのかもしれません。
そしてそれらは、お茶を飲むかコーヒーを飲むか、といったような簡単な選択ではありません。
医療場面での意思決定を支える本は数多くありますが、最近読んだ1冊の本から、これはとても大事だと感じたことを下記に引用します。
( )内は私の感想です。
中山和弘・岩本 貴 著
・専門家は知識を身につけているが、一般の人は、情報がどんどん与えられても、それを整理して知識にすることができなければ、よりよい意思決定はできない。
(情報をたくさん提供する、ということだけでは、よりよい意思決定には結びつかない。)
・よりよい意思決定のための7つの方法
1.意思決定が必要な問題を明確にする
2.可能性のあるすべての選択肢のリストづくり
3.選択肢を選ぶ基準を決める
4.選択肢を選んだ結果を想像する
5.情報提供方法による心理的効果を理解する
6.意思決定の支援を得る
7.意思決定における葛藤やジレンマを解決する
・感情の表出は、納得のいく意思決定へのプロセスとなる。
(これはとても大切なことで、私たちの重要な仕事であると思う。
自分は今こんな気持なのだ、こんなことを考えているのだということに気づくだけでも、
大きな一歩となると感じる。)
興味を持った方は、ぜひ著書を手に取って読んでみてください。
代理意思決定の問題や困難な意思決定場面における取り組みなど、具体的な事例も含まれています。
とても参考になりました。
心理士として意思決定の場面で気を付けなければならないのは、当然ながら、くれぐれも我々医療者の個人としての意見を相談に反映させてしまうことに留意することです。
目的は、「患者さんが納得して決める」こと。
それを促す環境を作るのが私たちの仕事なのであって、私たちの意見を求められるのではないことを忘れてはなりません。
私たちは、整理させていただくだけ。
どなたかの何かのお役に立てますように。
関連記事:私たちは整理させていただくだけ2。
よろしくお願い致します。

