こんばんは。
人間科学の専門家として総合病院で働く臨床心理士、五十嵐です。
この記事のタイトルは、
不安でも歩みを進める。
としました。でもこれには続きがあります。
うまくいかなかったら、また考える。そして進める。その繰り返し。
これは、総合病院で臨床心理士が働く中で必要な考え方だと思っています。
そして、若かった私はあまり得意ではなく、これまで少しずつ育ててきました。
さらに、これは、人生一般にも大切なことと言えるように思えています。
病院で働いていると、もちろん、患者さんやご家族からのご相談もお受けしますが、医療スタッフからの相談を受けることも、仕事のひとつです。
どちらにしても、そのときの問題の現状を整理し、解決するために、もしくは少しでも軽減できるように考えます。
このとき、私たちは、まず、収集した情報と人間科学の知見を照らし合わせて、「仮説」を立案します。
そして、その「仮説」が正しいかどうか、さらに情報を集めながら具体的な対策を提案し、実行することのお願いをします(私たち自らが、実行することもあります)。
たとえば、下記のような患者さんがいらっしゃったとします。
大きな病状変化を経験した患者さんが、何かにつけてとっても怒りっぽくなってしまい、物を投げたりしてしまう。
このとき、
-この患者さんは、何に対して怒りを感じておられるのだろうか?
あ何か、感情調節に問題が生じるような身体的な変化が生じているのだろうか?
あ病状に対して不安が募って、怒りとして表出しておられるのだろうか?
などと、いくつかの仮説を立てて、対応を始めます。
そして、情報収集をしながら、ひとつずつ対応を試し、変化が得られなければその仮説を棄却します。
さらに、また別の仮説検証を進めるのです。
そうなんです。私たちの臨床は、仮説検証型なのです。
もちろんあてずっぽうではありませんし、最初から妥当な仮説を立ててすぐに解決することを目指します。
そのために、事実や背景情報を収集して照らし合わせ、仮説を立てて、対応策を提案、実行します。
この仕事を始めたころ、この施行錯誤の作業に少し苦しみました。
立案した仮説に、
「これでいいのかな?」「ちがうかな?」と迷ってしまったこともありました。
依頼されたことを早く解決に導きたいからこそ、不安になったり焦ったりするのでしょう。
しかし、少しずつこう思うようになりました。
「やってみなければ、何もわからない」
「やってみて、異なったら、次の仮説にとりくむ」
そう思って、考えたことを実行することを心がけてきました。
もちろん、不安や心配も伴いましたが、こうしていると、どんどん物事が解決に近づくのを体験してきました。
「いまは正解は分からない」
「取り組んでみたことで、正解がわかるのだ」
そんな風に自分に語りかけ、悩んだり迷ったりするよりも、すぐに行動に移すことを心掛けるようになりました。
以前、私たちは整理させていただくだけ。という記事を書きました。
医療スタッフと協力しながらできるだけ確からしい仮説を立てること、そして仮説を立てたらそれに従って動いてみること、これを大事にしていたいです。
そして、これは大きな意味では、「自分を信じて動く、行動する」ということです。
そうしていると、物事は動いてゆきます。
止まっていたら、物事は何も変わりません。
今日は臨床活動について書きましたが、これはお仕事以外でも、さまざまなところで必要なことではないかなと思っています。
また今度記事を書いてみたいな、と思います。
いつも長文をお読みくださり、ありがとうございます。
今日もみなさまにとってあたたかな日となりますように。
