VINTAGE FIVE STATE 修理の実績(89)KORG MS-20 オーバーホール | Vintage Five State

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KORG MS-20

動作がちょっとアヤシイKORG MS-20の修理を受付けました。

 

VCOへのモジュレーションがたまにかからないのと、外部入力のプリアンプの音質がこもっていて使いにくそう。

 

動作チェックしてみると、パネルのツマミに接触不良があるのと、プリアンプが動作不良です。

 

 

修理のお見積りで、調子の悪いところだけ直すプランと、全体をオーバーホールするプランの「2つ」をお出しします。

 

この際だからということで、全体をメンテするオーバーホールのプランで、OKをいただきました。

 


KORG MS-20 モジュール

まずは、外部入力のプリアンプの修理。

 

MS-20を分解して、プリアンプの基板を抜き出します。

 

 

プリアンプ基板

ギターを外部入力に入れてみると、出てくる音量がおかしいのと、音抜けが全然悪い。

 
MS-20のプリアンプって、ギターに合うように作ってあるんですけど、これでは使えません。

 

 

「過大入力」で部品が劣化するっていうのがありがちなんで、プリアンプ入力段の部品を交換します。

 

動作チェックしてみると、音量変化と音質がMS-20らしくなりました。

これで、OK。

 

 

メイン基板 裏

つぎに、全体の配線コネクターを「VFS」接点洗浄/保護処理します。

 

ここで、接点の接触不良を潰しておかないと、後で動作がおかしくなったり、調整がズレたりして2度手間になります。

 

基板を見るとわかりますけど、このMS-20は「初期型」ですね。

MINIMOOGっぽい音にまとめてあるのが、初期型MS-20です。

 

 

ジャックボード

つぎに、マスタボリュームの接触不良をメンテします。

 

マスタボリュームをはずすのに、ジャックのナットを全部緩めないと、先に進めないのが泣けます。ショボーン

 

マスタボリュームにも「VFS」接点洗浄/保護処理を行います。

 

これで、スイッチオンからボリュームを上げたときに、ボソボソ言わなくなりました。

 

 

メイン基板

そして、パネルのボリューム全部に、「VFS」接点洗浄/保護処理を行います。

 

30個以上あるので、大変です。

 

 

KORG MS-20

修理の見積もりには入れていませんでしたが、鍵盤接点も洗浄しておきました。 

 

あとは、VCOやVCFなど各所を調整します。 これで修理完了。

 

動作チェックしてみると、サービルマニュアルのとおりに動作しているので、問題なしです。

 

 

ADSRのDECAYを短くしても「パツン!」という音が出ないのが気になるというお話でしたけど、MS-20だとこんな感じだと思います。

 

チューニングが安定していて、ADSRでクリック音が出ないというのが、MS-20の特徴です。

 

 

YAMAHA HS8

YAMAHA HS8で試聴すると、「MS-20」らしい音がきちんと出ています。
 
修理完了ということで、軽くクリーニングした後でお客様に納品。
 
MS-20のようなセミ・モジュラーのアナログシンセは、ツマミに接触不良があると使いにくいので、直したほうがストレスフリーです。

 


 

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