ビンテージKORG MS-20には、見た目はほとんど一緒でも、2つのバージョンがあります。(画像はKORG/ARP ODYSSEY)
前期型 VCFに「KORG35」というICを採用
後期型 VCFに「LM13700」というICを採用 パネルのVCAのところに、ネジがある
前期型のMS-20は、VCFに「KORG35」というICを採用したていますが、これはKORGのフラッグシップ「PS-3200」にも採用されています。
かと言って同じ音でもないんですが、音を通すとちょっと「モワッ」とする雰囲気は一緒です。
ROLAND SYSTEM-100 MODEL101のように、1970年代の「あたたかみ」のあるシンセ音が特徴。
一方で、後期型のVCFに採用されている「LM13700」は、OXFORD OSCARのVCFにも採用されています。
音の特徴は、音のハッキリしたテクノ向けで、レゾナンスが低音から高音までキッチリ発信します。
前期型のMS-20はといえば、レゾナンスは少し曖昧なところが存在します。
なんでMS-20の前期と後期で、こんな音の違いが存在するかというと、当時流行していた音楽の影響が大きいです。
前期型といえば、富田勲の「惑星」が大ヒットした時期に重なります。
「クラシック音楽」をシンセサイザー・ミュージックとしてアレンジし直したものなので、音が叙情的。
後期型は、YMOやクラフトワークのようなテクノミュージックがヒットしていたので、VCFのレゾナンスがハッキリかかるような、「リズミック」なサウンドが求められていました。
現代では、1970年代の「あたたかみ」のあるシンセサウンドが人気のようです。
テクノテクノしたものではなく、アコースティックピアノとのコンビも組めそうな、クラシック寄りな感じでしょうか。
近年、バンドに「ノーエフェクト」のシンセサイザーを入れているのを、目にするようになってきました。
音を聞いてみると、全然、違和感なくバンドの中で使われています。南米のバンド。
シンセサイザーが、「バンドの楽器」として認められてきたのかなという印象です。
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