1979年のYMOの海外ツアーで、矢野顕子さんが弾いていたことで有名な「OBERHEIM 8VOICE」。
拡張ユニットのない「4VOICE」の買取があったので、販売できるように直していきます。
(画像は、Synthmuseum.comより)
4VOICEは、パネルを見るとわかるように、モノシンセの「SEM」を4台実装したもの。
4ボイスポリのアナログシンセというイメージですが、実際のところ、パネルに「モジュール」を実装するモジュラーシンセというのが実状です。
4VOICEは、鍵盤の左に、8つのプログラムを選択できる「プログラマー」があります。
そのパネルを見ると、SEMと同じパラメーターのツマミが並んでいます。
このツマミで、SEMをコントロールする「CV」をプログラムしていくわけです。
ですが、SEMは「VCFタイプ レゾナンス VCO-MIXER」は、SWとボリュームでしかコントロールできないので、プログラムを選ぶたびに、4つのSEMそれぞれを「手動」で変更します。
ここらへんが、モジュラーシンセっぽいところ。
こんな仕組みの4VOICEですけど、SEMがそのまま4台実装してあるので、音の強さは「OB-X」以上。
「VCFタイプ レゾナンス VCO-MIXER」をプログラムできないけど、そのための「VCA」が音の経路にないので、音抜けがとてもいい!
ココらへんは、便利さを取るか、音の良さを取るかのバーターです。
買い取った4VOICEを動作チェックをしてみると、やっぱり「全体的に調子が悪い」。
鍵盤のゴムのインシュレーターが硬化していて、並びもガタガタ。
SEMは、音が出ないものがほとんど。ADSRが動作しない。 ツマミの接触不良がある。
プログラマーも動いてない。
ボロボロですね、という感じでした。
つづく
ヴィンテージシンセの修理と、レストアのお問い合わせはコチラへ
担当の吉田が承ります vfstate@gmail.com
業務30年で、細かいものを入れれば、修理実績5000件超!
ふつうの故障からレストアまで、おまかせください