「全体的に調子が悪い」買い取った4VOICEを、これから直していきます。
鍵盤のゴムのインシュレーターが硬化していて、並びもガタガタ。
SEMは、音が出ないものがほとんど。ADSRが動作しない。 ツマミの接触不良がある。
プログラマーも動いてない。
とりあえず、電源が生きていたので、ひとつずつ直せるものから直していきます。
まずは、「SEM」のモジュールをひとつ外して、CV/GATEを入力してシンセの音を出力。
鍵盤を弾くと、VCOが片方死んでて、VCAのエンベロープが反応せず、つまみがガリガリ。
ボリュームとSWとコネクターの接点を全部洗浄すると、接触不良は取れたものの、症状は変わらず。
回路図を追いながら、「VCOとエンベロープ」の部品を交換していきます。
トランジスタとオペアンプの回路なので、いちいち細かくて部品が多い。
とくに、エンベロープが「ADSR」の各段階で違う動きをするので、直すのが大変。
何個、トランジスタを交換したことか。
ここらへん、ROLANDのSHシリーズとも一緒。
「SEM」をひとつ直したら、ほかの3つも同じように直していきます。
「SEM」を4つ全部直したら、今度はプログラマー。
プログラムのボタンを押しても、コントロール用の「CV」が出てこず、書き込みもできません。
回路図を見たら、CPUを使用せず「TTLロジックIC」で、メモリー回路を組んであります。
エンベロープと同じ、ディスクリート回路。 いちいち細かい。
おまけに、基板が4階建ての構造になっています。
壊れていた「メモリーIC」を交換して、リードライト回路の「TTL IC」も交換して、やっとプログラマーが動き出した。
ボタンを光らせるランプを、全部交換したら完了〜!
最後に、鍵盤のメンテンナンスをして、ハードウェア的には全部復活。
あとは、4つのSEMとプログラマーの連携をチェックしながら調整して、やっと修理が終わりました。
大変だった〜!
後で、他の4ボイスが入ったときに、バイトくんにメンテナンスをお願いしたら、泣いてました。
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