今日8月9日は
長崎に原爆が投下されて80年となる日だった。
本来なら夕刊に平和祈念式典関連の記事がのりそうなものだが、
朝日新聞は今月から土曜の夕刊はなくなった。
去年2度値上げがあって、月約4000円が約5000円となっていたのだが。
値上げとサービスの低下のダブルパンチである。
閑話休題。
現在公開中の映画『長崎ー閃光の影でー』は、
原爆投下直後に看護学生たちが
必死になって一月に及ぶ救護活動に従事していた様子を描いている。
日本赤十字社の看護師たちによる手記
「閃光の影で-原爆被爆者救護赤十字看護婦の手記―」をもとに
ストーリーが生み出された。
3人の看護学生を演じるのは
菊池日菜子、小野花梨、川床明日香の3人。
小野花梨はテレビドラマでよく知っていたが、
あとの2人はよく知らなかった。
菊池日菜子は長身の美少女で
文句なくエースになれる人だ。
今後は注目。
エンディング曲はオルガン伴奏の女声による歌だった。
静かに訴えかける感動的な曲だ。
映画の公式ホームペ-ジを見ると主題歌は、
「長崎出身の福山雅治が被爆クスノキを題材にした
『クスノキー閃光の影で』のプロデュース・ディレクションを担当」となっている。
どういうことかよく分からなかったので、
FUKUYAMA MASAHARU 35th ANNIVESARYというサイトを
見ると以下の事情だった。
松本監督からのオファーがあって、
福山は2014年発表した楽曲を新たに編曲し、
プロデュース・歌唱ディレクションを担当し、
菊池・小野・川床の3人が歌うバージョンが完成した。
3人で歌っているということも気がつかなかった。
どこを誰が歌っているのかな。
福山雅治ファンならよく知っている曲なのだろう。
福山雅治、なんか桜の曲があったなあ、
というくらいの認識だったが、クスノキもいい曲です。
てっきり賛美歌かと思った。
福山版は『クスノキ-500年の風に吹かれてー』
というタイトルになって2025年版が発表されている。
どこまでいってもこの人は二枚目だなあ、と思わせる歌いぶりだ。
原爆というテーマはあくまでも重いが、
若い3人の物語になっているので、
青春映画としても見ることができる。
実は『長崎ー閃光の影でー』を見た日の午前中には
『この夏の星を見る』をいう映画を見ていた。
コロナ禍で学校のクラブ活動が制限された2020年、
「スターキャッチコンテスト」をめざして、
茨木、東京、長崎の五島の中高生が熱心に活動する姿を描いている。
「スターキャッチコンテスト」とは手作りの望遠鏡で
指定された星を見つける速さを競う競技である。
スマホを使えば日本全国で同時開催も可能だ。
文化部に動の要素が持ち込まれたせいで、
映像的に見応えのあるシーンが生まれた。
主演の桜田ひよりは「ひより」というちょっと変わった名前が
印象に残っていたくらいだったが、
確かに映画全体を牽引する力を感じさせた。
中野有紗が着ていた夏服のセーラーがとても素敵だった。
中野有紗は『PERFECT DAYS』で
役所広司の姪役で出ているのを見て以来注目している人である。
原爆とコロナでは
インパクトの強烈さ、悲惨さの性質も違いすぎるが、
二本の映画は、抗しがたい巨大な力に覆われた世界で、
若者たちがいかに生きるべきかを懸命に追求する姿を見せてくれた。
この夏の記憶に残る二本である。