<旧幌加駅と旧士幌線>
メインのタウシュベツ川橋梁の次は
旧国鉄士幌線・旧幌加駅跡の見学である。
ホームと線路が残っている。
線路は草で覆われ、高木が緑のドームをなしている。
士幌線とは帯広から十勝平野を北上し、
上士幌町の十勝三俣駅に至る78.3kmの路線である。
十勝三俣駅まで開通したのが1939年。
<ルート変更>
1955年、糠平ダム建設のため、糠平湖(ぬかびらこ)の
南岸から西岸を迂回する新ルートに変更になった。
これ以来タウシュベツ橋梁が使われなくなり、
湖に沈んだり現れたりを繰り返す神出鬼没な橋となったわけだ。
かつては林業がさかんで、
材木を積んだ貨車が幌加駅から送り出されていた。
過疎化と林業不振で、1987年に全線が廃止された。
ただ、タウシュベツ以外にも橋梁はいくつか残っていて、
バスの中からも少し見ることができた。
<然別湖(しかりべつこ)へ>
観光バスに戻って、次は然別湖に向かう。
<肉ガッツリなお弁当>
本日の昼食はバスの中でお弁当である。
添乗員嬢がこの日大奮闘したのは弁当の配達である。
けっこう大きなプラスチックの容器に入った弁当なので、
一度に数個しか運べない。
前の方から配って行くのだが、
4列目のharicot rougeは素通りされて、
しばらく待ってみたが気がつかないようなので、
ここはまだですよ、と注意した。
弁当はビフテキ、ハンバーグなどかなり
ヴォリュームのあるメニューだった。
くねくねした山道だったが、特に気分が悪くなった人は
なかったようでなによりだった。
<添乗員の苦労>
生徒を引率することは何度もあったが、弁当配布については、
空港で生徒が整列したときに配ったことぐらいしか思い出せない。
添乗員嬢はまた、人数確認をするときには
話しかけないで下さい、と言っていた。
それもよく分かる。
修学旅行などの校外学習があると、
ツアーコンダクターなど絶対やりたくない、とよく思ったものだ。
<湖底線路の秘密>
トラピックスの日程表には
「湖底線路(湖に消えゆく神秘的な場所)」と書いてある。
北国の湖=廃線=神秘的=ロマンだわー、の方程式再び。
種明かしをすると、湖が氷結する冬の間、
遊覧船を引き上げるための線路なので、
旧国鉄の廃線というわけではなかった。
とっくに氷は溶けているので、
船は水上に浮かんでいてもよさそうなものだったが、
空中に浮かんでいた。
緑の水の底には確かに線路らしきものが認められるのだが、
水面の反射で写真はうまく撮れない。
偏光フィルターをつければ撮れそうだが、スマホでは無理だろう。
<ファーム富田とラヴェンダー・ソフト>
最後の目的地はファーム富田である。
入場料も駐車料金さえとらないという奇特なファーム。
しかし、添乗員嬢の主張によると、
富田ファームのラヴェンダー・ソフトクリームは
トイ○のような匂いがして、その辺に棄てるわけにもいかず、
完食するのは地獄の苦しみだった
(とは言ってなかったがそう言いたそうだった)。
二度同じことを言っていたくらいなのでよほど、
不味かったのだろう。
それで是非食べてみることにした。
私はアールグレイの紅茶が好きだが、
吉本ばなながアールグレイを
「石けんのようなにおいのする紅茶」と書いていたのを覚えている。
強い香りが嫌いな人はいるものである。
実際ラヴェンダー・ソフトは、haricot rouge的には
それほど香りは強烈ではなく、うまかった。
吉本ばななならなんと言うだろうか。
<緑のラヴェンダー>
ラヴェンダー畑は青々とした野菜畑の趣だったが、
温室の中では花が咲いていた。
宇治の植物園でも咲いていた。
やはり今頃桜が咲く北国である。
広い園内の端までいったところで雨粒が落ちて来たが、
結局バスは雨雲を振り切って
札幌北広島クラッセホテルに着いた。
添乗員嬢はキーと食事券を渡したら任務終了。
お家に帰るそうだ。
<カードキー>
このホテルは苦手なカードキーである。
ドアのハンドルのあたりにカードをかざすと、
ドアに埋め込まれた小さなライトが黄色く点滅し始め、
色が緑に変わったら、ガチャンという音がするので、
すかさずハンドルを押し下げつつドアを押すと中に入れる。
この要領がつかめるまで数回試行が必要だった。
部屋は大きなベッドが二つ。
ペットボトル2本がサービスでついている。
どこかのドライブインで買っておいた地ビールを冷蔵庫に入れておく。
<バイキングに蟹>
7時過ぎにホテルに着いて、夕食は8時半ラストオーダーとのことだったので、
風呂は後にして最上階のレストランに向かう。
当然バイキングだが、窓際の席に案内された。
まだ外の景色は見える。
食糧調達に出かけるとまずズワイガニの脚が林立している。
3本頂いた。
ビールはウェイトレスに注文する方式になっている。
こちらの方が少し気分がいい。
<絶品地ビール>
食後、売店をのぞくと、地ビールを売っている。
すでに1本買っているので迷いに迷った末、
Nostalgia, Lemon & Lavender Aleにした。
風呂上がりに飲んだがこれは大正解だった。
ふだんはプレモル香るエールを飲んでいるので、
もう苦いビールは受付られない。
Nostalgiaは苦くなくて、とてもさわやかな香りでうまい。
ホームページを見ると、6種類のビールがある。
なんとメロン入りのものもある。
しかし、もし売店で売っていたなら買いたかったのは
Polarisである。
深夜には黒ビールを飲みたいのだ。
沖縄の修学旅行でこっそり飲んだ黒ビールはとてもうまかった。
<QR搭乗券>
3日目はホテルから送迎バスに乗って空港へ行き、
飛行機に乗って帰るだけである。
前日バスの中でプリントを渡されたのだが、
それをANNのデスクで渡せば、航空券がもらえるとのことだが、
QRコードを読み込んでスマホで手続きをしてもよいと書いてある。
スマホで事前に手続きしてもいいが、
そうするとスマホに表示されたチケット代わりのQRコードを
呼び出さないといけないのだろう。
ちゃんとそれが見つけられるかどうか心配だ。
迷った末、ANNのデスクまで来ると、10人以上並んでいる。
あまり時間がないので、スマホでQRコードを読み込みはじめたが、
片手に紙、もう片手にスマホでこの作業はやりにくい。
少々難渋していると、制服姿のお嬢さんがとても優しく手伝ってくれた。
というか、そのうちスマホを渡して全部やってもらった。
心配していたチケット代わりのQRコードは
フォトのライブラリーというところにあった。
人のスマホでもすぐ見当がつく人もいるわけだが、
自分でそれに気づけたかどうか。
<新千歳空港グルメ>
新千歳空港ではソフトクリームが何種類もあるが、
ハスカップソフトにした。
ソフトクリームだとは思えないくらい酸味が強くて
忘れられない味である。
空中の昼食は雲丹と蟹丼(1600円)にした。
ほんのわずかだったが、雲丹が食べられた。