出町座で『祝日』を見た。
監督の舞台挨拶がある日で、よく客が入っていた。
まずストーリーを紹介すると
父が無実の罪を着せられて自死、
母は新興宗教に走り姿を消す。
ひとりぼっちになった14歳の希穂（中川聖菜）は
野菜ジュースとプリンで命をつないでいる。
ある朝学校に着くと祝日のため休校だった。
屋上から身を投げようとすると、腕をつかまれた。
自称天使が止めたのだ。
祝日の今日死ななくてもいいんじゃない、
という天使とともに街を行くと、
ちょっとへんてこな優しい人たちと出会うことになる。
それは希穂だけでなく、天使にとっても最期の一日だった。
人間になった天使は一日の命しかないのだ。
上映が終わると地下から3階の別室に移動して、
舞台挨拶となった。
本作が2作目となる伊林侑香監督は
健康的で明朗な感じの若い女性だった。
20分ばかり男性インタヴュアー（出町座のタッフなのかと思ったが不明）と」監督のやりとりが続いた。
（以下記憶に従ってだいたいのところを記す）
Q:監督を志した理由は？
A:父が監督志望で映画が普通に周りにある家庭でした。
映画を見たあとでは、
自分ならどう撮るかという話になりました。
ふつう、どう思ったかでしょう。
どう撮るか、とは。
Q:希穂役の中川聖菜さんはごく普通の中学生、
といった感じがうまく出せているとおもいますが。
A:中林聖菜さんとはには、
この台詞の感情の強さは10段階でどのくらいかな、
といったやりとりをしました。
初主演の少女に対して
うまいやり方を考えたものだなあ、と思った。
昔日の巨匠は若い女優に何十回とNGを出し続けた、
なんていう伝説があったものだが、
今どきそんなやり方では破綻するだろう。
俳優業なら何となく想像できるけれど、
演出という仕事は見当もつかない。
監督は、それぞれ現場で工夫してゆくものなのかな。
実は京都シネマで4時5分から始まる
「ドライブアウェイ・ドールズ」のチケットを購入済みだったので、
観客との質疑応答３人目のあたりで失礼した。
以下はできるなら聞けなかった質問。
（ラストシーンについてのネタバレあり）
天使が消えて、
希穂が学校の屋上で後ろ向きに倒れたところで、
白いレジ袋が希穂の周りをにじゃれつくように踊ります。
天使は白一色の服で身体全体をすっぽり包んでいました。
翼を持たない天使の天使性を唯一保証する白。
その白を受け継いだレジ袋は天使の抜け殻ですね。
あのレジ袋はレジ袋史上最高の名演技でした。
CGだったのでしょうか？
核にあったのはどんなイメージだったのでしょうか？
秋晴れや天使の衣おどる朝
天使役の岩井堂聖子さんという女優さんは、
見たことはないけれど、
美人なのになぜか人間くさい感じがでていて、
絶妙のキャスティングだと思った。
ところがウィキペディアをみると
高橋真唯（まい）が
10年前から本名の岩井堂聖子で活動することになった、
とのことだった。
岩井堂というのも由緒ある名前のようであるが、
それはともかく、
高橋真唯なら知っている。
そういえば目元が似てるなー、というか本人か。
（一昨日は再放送の｢ちゅらさん｣に
佐藤江梨子が出演していたのに気づいたのだが…言い訳です）
最初に高橋真唯という名前を覚えたのは
「妄想姉妹～文學」（2009年）で、
吉瀬美智子がその後ブレイクした、という認識だったが、
監督の一人が三島有紀子だったのはさっき知った。
文学作品をモチーフにした面白いアイデアのドラマだった。
そのほかの出演作では、｢僕と彼女の×××」（2005年）は
レンタルショップでDVDを借りて見た。
連ドラだと思っていたのだが
ウィキペディアによると
配信のあと単館上映だったそうだ。
ストーリーは忘れたが、
比嘉愛未が出演していたのはよく覚えている。
写っていたのは短時間だが、
美人コンテストの出場者のような役で、
白いビキニ姿だった。
比嘉愛未唯一の動画での水着、として記憶していた。
男子高校生かよ。
加藤ローサ主演の｢シムソンズ｣(2006年)にも
高橋真唯は出ていたようだが、
藤井美菜が出ていたことくらいしか覚えていない。
大泉洋と田中圭も出ていたらしい。
カーリングを題材にした傑作。
話がずれまくってしまったが、
｢祝日」は推薦できる映画である。
公式ホームページによると、6月12日現在、
監督は富山県出身、
主演の中川聖菜も富山県在住、
オール富山ロケということで、
富山では３館で上映中とのこと。
近畿地方では出町座のみなので、
京阪電車に乗って終点出町柳まで見に来て下さい。
20年後、
中川聖菜さんが、
あっと驚くような美女になっているかもしれませんよ。