えりぃが可愛すぎる!

怒って正論を吐く伊藤沙莉を見て疲れたこころを

癒やしてくれるのは22歳の国仲涼子だ。

えりぃが主役の「ちゅらさん」はお昼の時半から絶賛放送中だ。
 

「虎に翼」どのようなドラマか、例として4月23日放送分をあげたい。
内容を説明するのが面倒くさいので東スポWEBを引用させてもらうと
  
  主人公の法学生・寅子(伊藤沙莉)の学友で

 夫と3人の息子がいる梅子(平岩紙)を巡るエピソードなどが描かれた。

 授業のケーススタディーで、

 資産家の飼い犬に襲われ顔に傷を負った未婚女性について、

 両親が受け取った慰謝料の額が問われた。

 特別講師の大庭(飯田基祐)が示した判例は

 超破格の1500円。

 被害者には「町一番の美人」との評判もあった。

「損害賠償は被害者を救済し傷を癒やす」と語る

 大庭に感心する寅子だったが、

「うちの家内なら300円がいいところだがな」

「結婚前の婦女にとって容姿というのは何より大事」

 との発言に接して一変。

 大庭は梅子の夫だった。

 とりわけ容姿発言には寅子ら女子学生が次々と異を唱えた。

 満場で梅子をくさした際、

 男子学生から批判や反論は聞かれず、

 笑いが漂った。

 といえば思い起こされるのは3年前、

 女性に関する森喜朗元首相の

「わきまえる」発言にその場で注意や反論がなく、

 会合の出席者にも批判の目が注がれたこと。

 こうした「同調空気」や「ルッキズム」は

 ドラマの時代から90年後の現在も続いている。

 X(旧ツイッター)の視聴者投稿では、大庭に対し「身内下げとルッキズム」と指摘も。

容姿の問題は古代からずっと続いている。

記憶で書くのでちょっと不確かだが、

ヘロドトスの「歴史」では、

村の娘たちがそれぞれお金を出し合い、

不細工な娘がそのお金をもらう、

という習俗が紹介されていた。

そのお金を持参金にすることで

結婚を容易にしようというのである。

 

ジェーン・オースティンの

「マンスフィールド・パーク」の最初の頁には

「この世に美人の数は多けれど、

大金持ちの独身男性は、そうざらにいるものではない(中野康司訳)」

という一文がある。

ジェーン・オースティンに1500円の賠償額について聞いてみれば、

「日本の相場についてはよく知らないけれど、

公平な裁判官だったようね」

と言うだろう。

 

ルッキズム批判がいかに吹き荒れようとも、

美が愛を生むことをやめはしない。

結局、いくら心の中ではやっぱり美人の方がいいなと思っても、

言い方に気をつけましょうということだろう。

大庭は教室で妻を引き合いに出す必要はなかった。

それに結婚できるかどうかは美醜に関係ない

というのは事実だと思う。

原節子、栗原小巻、酒井和歌子、石田ゆり子、

未婚の美女を思い浮かべて見よ。

いや、まだ、原さん以外は

未婚のままかどうか分からないって?

失礼しました。

「ルッキズム批判」が説得力を持つためには、

ヒロインが美人では都合が悪い。

伊藤沙莉がヒロインに選ばれた理由の一つはこれだろう。

仮に伊藤沙莉の代わりに吉岡里帆が寅子を演じていたら、

逆境で夢を叶えようと奮闘するけなげな女性の物語として、

わりと尋常な朝ドラのヒロインになったろうと思う。
あえて従来路線を選ばなかった制作側の狙いは、

ヒロインの成長物語というより、

男性中心主義的な誤った状態への

抗議申し立てをすることだったと思える。

ドラマは今のところ昭和10年代だが、

現代の女性が見て溜飲が下がりました、

と言えることがポイントだったのだろう。

すなわち「虎に翼」は

ヒロインに繰り返し異議申し立てをさせることによって、

もっとも政治的な朝ドラになろうとしている。

寅子が男性中心主義的発言等に違和感を感じたときには

まず「はて」というつぶやきを発し、

そこから違和感を言語化した異議申し立てとなり

議論が開始されるというのが一つのパターンである。

異議申し立てが止められることもあるが。

たいていの女性は主張しても無駄だとばかり、

「スン」と黙っている。

朝ドラにはときどき「じぇじぇじぇ」とか、キ

ーワードが登場するが、

「虎に翼」では「はて」と「スン」が一対になっているのが特色である。

寅子のキャラクター同様

問題意識高い系のヒロインとして思い浮かぶのは、

「おかえりモネ」の百音である。

清原果耶が演じた百音は、

東北の震災時に故郷の島にいられなかったということに負い目を感じ、

気象予報士として地域に貢献したいと考えるようになる。

ちょっと暗いめのキャラクター設定だが、

清原果耶の卓越した演技力もあって、

朝ドラ史上もっとも内省的なヒロインが誕生した。

百音は内向的、寅子は外向的である。

一方、無意識系のヒロイン代表は「ちゅらさん」のえりぃと

「あまちゃん」はのアキ。

無意識系は必然的に外向的だ。

えりぃは道端で出会った知らない人ともすぐ友達になるような開放的で、

ロマンス関係は純真さあまって鈍いくらい、

というコメディーの典型的人物。

「あまちゃん」は「おかえりモネ」同様

東北の震災を背景としているのだが、

なんと放送は2013年度前期、

震災からまだ2年あまりしか経っていなかった。

甚大な被害を受けた地域を舞台に

コメディーを作るという不可能なミッションが、

テレビドラマ史上最高のコメディー作品を生んだというのは、

 

 

創造作用の逆説とでもいうべきだろう。