この数年、誕生日にコンサートに行きたいと思いながら

なかなかチャンスがありませんでした。

少し前、郵便受けに入っていた宇治市の広報誌をめくっていると、

宇治市文化センターで

「京阪フレッシュアーティスト リレーコンサート ~ひかりはばたく新星たち~」

という長いタイトルのコンサートがあると知りました、

わが誕生日に。

よく晴れた暖かい午後、自転車に乗って会場に向かいました。

入場料は1000円。

初めて入った小ホールは、

前方4列が平面で、

通路の後ろ5列目からだんだん高くなって16列目まであります。

389席。

見やすそうなホールです。

最初に館長さんから挨拶とあれこれお話がありました。
リレーコンサートというのは

3月7日寝屋川から始まって、

門真、宇治、枚方、八幡と五つの会場で

主に地元の若手演奏家のコンサートを行うというものだ、

という説明がありました。
 

「それぞれ応援している人がいるでしょうけれど、

他の人の演奏も聞いて下さい。

他の会場では、ずーっとスマホをいじっていて、

あるアーティストがでてくるとさっとスマホをしまう人がいましたが…。」
 

おもに家族、親戚、友人、近所の人などが、

クラッシックよく知らないけれど

応援のためやって来て退屈するというのは、

いかにもありそうな話です。

知らない曲も何度も聞いているうちにだんだん面白くなってきます。

私はコンサートの前にはできるだけ

演奏される曲を5回以上聞くことにしています。

3時間もかかるオペラの場合ちょっとしんどいですが…

 出演者と曲目は以下の通りです。

 宮國香奈(ピアノ)
メンデルスゾーン 「厳格な変奏曲」
バラの花を散らした白いドレスは当日一番の華やかさでした。
「厳格な変奏曲」は田部京子さんのリサイタルで聞いたことがあります。

「無言歌」のあとで聞くとタイトル通り、

ちょっと堅苦しい曲というイメージでした。

今日は最初の曲だったせいか、主題と変奏という変化の妙が楽しめました。

violette   

長見由美惠(クラリネット) 竹内まどか(クラリネット)
プランツァー 協奏的二重奏曲第1番
 

クラリネットのデュオというのは珍しい。

プランツァーという作曲家は名前も知らず、

予習も追いつきませんでした。

音楽之友社の古い(1989年 第1版30刷)「標準音楽辞典」に

プランツァーは載っていませんでした。

Robert 2 にもPranzerはありません。

ネットではJ.プランツァー「協奏的二重奏曲 第6番」まで出てきます。

何曲書いたのかな。

クラリネットをやってる人にはおなじみの作曲家なんでしょう。
 

竹内さんと長見さんは小中高と同窓の幼なじみで、

中学の吹奏楽部でクラリネットを始め、

勉強しながら活動されているとのこと。

思わず、北宇治高校出身ですかと尋ねたくなりました。

三宅ひなた(ピアノ)
ラヴェル スペイン狂詩曲 1~4番
三宅さんは京都市立堀川音楽高校を卒業後、

大阪音大で学ばれているそうです。
サンソン・フランソワの「ラヴェル ピアノ音楽全集」には

「スペイン狂詩曲」はありませんでした。

ガルバンという人がオーケストラ曲をピアノに編曲したものでした。

珍しい編曲版が聞けるのもこういったコンサートの面白味です。

福岡真凜(ヴァイオリン) 新ゆう(ピアノ)
シベリウス ヴァイオリン協奏曲
シベリウス ユーモレスク1番作品87
福岡さんはシベリウスのヴァイオリン協奏曲を

すでにオーケストラと全曲演奏されたことがあるそうです。

やはり第1楽章のみとはいうものの

シベリウスのV協という名曲が聞けて

充実したコンサートだったと実感できました。
 宮國さん同様、福岡さんも宇治出身です。

「福岡真凜」をネットで検索してみると、

なんと「新春鼎談~宇治市長×福岡真凜×西川勝之(ウエイトリフティング)」という

2年前の動画が見つかりました。

もう有名人だったんですね。

(2024.316.

 

 

 

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