結局、「Eye love you」は見ないことにした。
火曜10時台は「正直不動産2」だ。
「正直不動産2」にもラブコメ的要素はある。
榎本(泉里香)は永瀬(山下智久)を意識しているのに永瀬は鈍感で気づかない。

榎本が永瀬の家へ押しかけ女房として住み込んでも、

永瀬は本当にうれしいのかどうか判然としない。

榎本の作った料理はうまいと言って食っているだけである。

そこはかとユーモアが漂っている。

これと同じパターンが「さよなら マエストロ」で、

新木優子がかなり積極的に迫ってもトンチンカンな反応しかしないマエストロ西島秀俊。

これが「イラつかないラブコメ」の王道である。
 

「さよなら マエストロ」も「正直不動産2」も主人公は男性だが、

群像劇という作りで、描き方は比較的客観的である。

「Eye love you」は女性が主人公でかつ視点人物でもある。

すなわち二階堂ふみの主観的世界が描かれている。

女性の視聴者は二階堂ふみに感情移入して見ることが想定されているのだろう。

同様の作りのラブコメとして

「推しが上司になりまして」と「リビングの松永さん」 をあげることができる。

「推しが上司になりまして」
会社員・中条瞳(鈴木愛理)は舞台俳優・桐生斗真(片寄涼太)が再推しだったが、斗真は引退してしまう。

ところが、斗真は突然「上司 」として赴任してくる。

実は高城修一という御曹司だった。

押しが眼の前に現れた現実をすぐには受け入れられない。

瞳はうれしずぎてパニックになる。

引き気味の瞳に徐々に「推し」が押してくる、という展開になる。

鈴木愛理のパニクった三枚目の演技が笑わせる。

「リビングの松永さん」
ひょんなことからシェアハウスに住むことになった美己(髙橋ひかる)。

そこには堅物のアラサー男・松永純(中島健人)がいた。

松永は美己の保護者としてあれこれ面倒を見るが、

ときどき上半身裸でうろうろしているところを、

美己に「服を来て下さーい」といわれるのがお約束になっている。

美己が純に好意を持っているというのが前提だからいいものの、

セクハラと言われてもしかたのないところ。

まあ、サービスショットというやつですか。

「推しが上司になりまして」と「リビングの松永さん」は

「Eye love you」のようにイライラすることなく見られるのは何故だろう。

思いつくままに特徴をあげてみると

 

深夜の30分ドラマらしく、

鈴木愛理と髙橋ひかるが分かりやすいオーバーな演技をしている。

 

片寄涼太という人は土屋太鳳と結婚した人としか認識していなかったが、

このドラマで見る限り、ギラついたところがなく、あまり反感を感じない。

最初は自分が瞳の推しであるということは知らないので、

ほぼ男の方が気がつかない、という状態になっている。

 

出だしは中島健人は逆にかなりギラついた感じだが、

女の気持ちに気づかないという設定に守られている。

自分は保護者として振る舞っているつもりで積極的に瞳に働きかける。

(最近見てないのでどこまで進展したか分からないが)

以下のように整理してみたい。
相手に好意を持っているなら+、フラットなら0、嫌いなら -
相手に積極的に働きかけるなら+、受動的に受け入れるなら0、拒絶なら-
感情は(女性、男性)、行為は<女性、男性>で表わしてみよう。
状況が変化する場合、主に初期設定で評価することにする。

ストレスフリーで楽しく見られる度合いで分類すると


「正直不動産2」       ( +,   0 ),   < +,  0 >
「さよなら マエストロ」    ( +,   0 ),   < +,  0 >


「推しが上司になりまして」  ( +,  0 ),  < 0,  + >
「リビングの松永さん」      ( +,  0),   < 0,  + >

×
 「Eye love you」       (+,   +),  < 0,  + >
 

侑里(二階堂ふみ)はユン・テオ(チェ・ジョンヒョブ)の気持ちだけが読めない、

という設定が生きていないと思う。

テオはあまりにもストレートに思っていることを口にしすぎる。

だから、勘違いとかすれ違いの面白味がでない。

外国人でもあるし、

次々と謎の行動をとる不思議なキャラクターだったら

面白く見られたかもしれなかった。

まあ、しょせん女性向きのドラマなんでしょ。