日曜の夜はドラマがひしめいている。
8時から「光る君へ」(NHK)
9時から「さよならマエストロ」(MBS)
10時から「アイのない恋人たち」(朝日放送)
10時から「舟を編む」(NHK BS)
10時半から「厨房のありす」(読売テレビ)
11時から「アストリッドとラファエル4」(NHK)

どのドラマもわりと好きなので、録画して見ることはできるとはいうものの、

このうち2本くらい別の曜日に引っ越してもらいたいところだ。


特に10時台が激戦区になっているが、

去年の4月から朝日放送テレビがドラマの枠を新設したからだ。

この枠では「日曜の夜ぐらいは…」、

「何曜日に生まれたの」、

「たとえあなたを忘れても」と名作、超名作、佳作が続いて

「アイのない恋人たち」である。

前3作はテーマ性の強いストーリーが特色だったが、

「アイのない恋人たち」はわりとありがちな恋愛群像劇に見える。

タイトルの「アイ」は「愛がない」 「見る目(eye)がない」「自分(I)がない」の

三通りの意味があって、それぞれにアイが欠けている者たちによるラブストーリー、

とのことだが、こじつけのようにも思える。

3組の男女+oneの組み合わせは

福士蒼汰と岡崎紗絵と佐々木希
本郷奏多と成海璃子
前田公輝と深川麻衣

佐々木希が演じている稲葉愛は真和(福士蒼汰)と高校の同級生で、

ピアニストを目指していた高校生時代は輝いていたのに、

恋と酒に溺れる日々を送っている。

(「Last Letter」で広瀬すずが演じた女性を思い出した。)

つまらない男をつかんでしまうダメンズウォーターという印象だが、

一番恋愛経験は豊富のようだ。

真和は「3回」会った女性とは連絡を絶つ」という方針でマッチングアプリを利用してきた。

すなわち恋愛を避けている。

淵上(本郷奏多)と今村絵里香(岡崎紗絵)は性的経験がなく、

それほど恋愛を望んでもいない。

対照的に郷雄馬(前田公輝)と近藤奈美(深川麻衣)は

結婚に突進してしまうそそっかしいカップルで、

クラッシックなコメディの感覚でできている。

こう書いてくると恋愛冬の時代だなあ、と思う。

 
明石家さんまと大竹しのぶが共演した「男女7人夏物語」の時代、

誰もが恋人が欲しい、燃えるような恋愛をしたい、とかが当たり前だった。

恋愛そのものが問題になるのは、それが本物の恋かどうか、ぐらいだった。
 

今期のゴールデンタイムのドラマの中で恋愛をメインにしたものは

「Eye Love You」と「君が心をくれたから」があるが、

前者は「イラつくラブコメ」に書いたような理由で、

後者はファンタジーだからといってその設定あざとすぎじゃないか、と思ったので、

あまり見なくなった。
裏番組の「舟を編む」の方が好みにはあっているが、

 

 

「アイのない恋人たち」もなんとか頑張ってほしいものである。


主演の福士蒼汰はとても良いと思うが、女優陣について少し書いておくと

岡崎紗絵:眼鏡が似合ってない。
深川麻衣:これまでで一番チャーミングで面倒くさそうに見える。
成海璃子:声が低いせいか、一番厚みのある人物、を感じる。
佐々木希:成海璃子と対照的。

     表層の美に呪われて

     どこまでも人生の表層を滑りゆく運命は

     最高の美貌に託されるしかなかった。

     そんなことを思った。