久しぶりで舞台挨拶を見ました。(2024年1月27日(土)アップリンク京都)
 

『光る鯨』という映画で監督・脚本 森田博之、主演 関口蒼です。
 

午後は大津まで行く予定があったので、時間が丁度よくて、

舞台挨拶もあるし、

タイトルも面白そうだし(『鯨の骨』という映画もありました)と深く考えずに、事前にチケットを購入したのですが、

 

パラレルワールドものでした。
 
  幼い頃両親をなくした志村糸は23歳になってコンビニ店員をしている。

幼なじみの小説家はかると音信不通になって数ヶ月たち、かつて家族で暮らした高層アパートに向かう。

はかるの処女作『光る鯨』に描かれていた通りにエレベーターの上昇と下降を繰り返すうち、異世界にたどり着く。

といったストーリーで、はかる、両親といった会えなくなった人たちとの再会がテーマになります。

人間ドラマとしては温かいものが残る作品ですが、私はタイムトラベルものか、と思って見ていたので、

もう一つどういうメカニズムが想定されているのか、ちょっとピンボケのまま見ていました。

さて舞台挨拶は上映終了(11時42分)後すぐの予定でした。
金髪ダッシュくらいの若い男が出てきて準備をします。
ピュア金髪男が舞台挨拶の間中、出入り口の前に立っていましたが、映画会社の人でしょうか。

映画館スタッフではないようですが。

 59席に客が十数名というわりと寂しい状況ではありました。
監督と主演の関口蒼さんが登壇されました。

(といっても壇はなかったんですが)


お二人は今朝早くから新幹線に乗って着いたばかりだそうです。
関口さんは3年前までTEMPURA KIDZというアイドルグループで活動されていたそうです。

最後に姉のギター伴奏で糸(関口さん)がしっかり2コーラス歌うというシーンがありますが、

アイドル時代はおもにダンスをしていたので、きっちり歌う仕事は始めてだったそうです。

監督のお話では、こういう場合先には先に録音しておいて口パクで映像を撮るのが普通らしいのですが、

ワンカット通しで撮る、

というやり方で2テイクめが採用されたとのことです。

 

姉役の中神円(なかがみえん)さんもギターの練習が大変で台本より楽譜をよく読んでいた、とパンフレットにはあります。

撮影はとても寒い夜で監督は風邪をひかれたようです。

 

ネタバレになりますが、娘がやっと会えた親に歌を聞かせるというシーンなので、

上手に歌うということより、気持ちが出ているということが大切だと思います。

その点でリアリティのあるいいシーンになっていたと思います。

正面からワンカットについては親の眼で見ているということか、と解釈しました。

 

このシーンと光る鯨のビジュアルが見所です。

鯨が立体的に見えるようにというのが監督のこだわりでした。

舞台挨拶の後サイン会があったので、500円でパンフレットを買って列に並びました。

観客の半分くらいが来ているようでした。

私を含め全員オヤジ。

サインしてもらっている間、客がしゃべっているのを聞いているとパラレルワールドについてとか、映画の細かい設定についてとか、

かなりマニアックに語っている人が多い。

SFマニア集合かい。

私の順番になって、監督に

「それほどマニアではないけれど、ヨーロッパ企画が好きで、去年は『リバー、流れないでよ』という映画がありましたね」と言いますと

監督もそれはご存じのようでした。

 

「あの映画は雪のため撮影がいったん中断して、1ヶ月たってから残りを撮ったので、

ループする設定でもとに戻るはずなのに、

雪が積もっていたり消えていたりするんですよ、

それを『世界線がずれた』とか言ってごまかしていたんですよ」

といのが言いたくて言えなかったことでした。
 

関口蒼さんは色が抜けるように白く、眼がぱっちりしたとても美しい方です。

関口さんには主演女優が来てくれることは稀で、

ある舞台挨拶では、五人くらい出てきた人が皆一言だけしか台詞がない人ばかりだった、という話をしました。

さすがに驚いておられたようでした。

 

「それは『ミュジコフィリア』という京都の藝大を舞台にした作品で、ヒロイン役の松本穂乃香さんは当然来ないわけです。

登壇した人たち全員自分の台詞を言ってみようというコーナーがあったけれど、

その台詞を聞いてもどういうシーンだったか思い出せませんでした。」

以上が言いたくて言う暇がなかったことでした。

 

まあ他の映画の話を聞かされても迷惑なだけだったかな。

ほかに話せる人もいないのでブログを書いているわけですが。

ご静聴ありがとうございました。

『光る鯨』は2月1日(木)までの1週間限定上映です。
アップリンク京都で、18:00~20:15の上映です。興味のある方はお早めに。

ps 実は鯨に変身するキャラクターも出てくるのですが、「光る鯨の君へ」というタイトルは『光る鯨』に出ていた君へ、という気持ちで、特に主演の関口さんを指しています。