去年はミニシアターが2軒も閉館になってしまうという悲しい出来事があった。

大阪のテアトル梅田と京都のみなみ会館である。

 

特にみなみ会館はパチンコ屋の2階にある、たったワン・スクリーンの映画館だった頃から会員だったので、思いは一入である。

 

思い出話はまたの機会にして、今はふと気づいたことを書いておきたい。

それはミニシアター4館が地下鉄烏丸線でつながっていたということ、そしてそれ以上のことだ。

 

南から始めると、みなみ会館は最寄り駅は近鉄東寺駅だけれど、地下鉄九条駅から歩いても13分で到着する(距離816m)。

 

シネコンのT・ジョイはJRまたは近鉄京都駅が最寄り駅(800m/⒓分)

(地下鉄の京都駅からは971m、九条駅からは910m/14分)だが、

みなみ会館から徒歩で9分(距離(599m)。

 

京都シネマは四条駅からすぐ、

アップリンクは烏丸御池駅から徒歩1分だ。

シネコンmovixの最寄り駅は地下鉄東西線の市役所前駅(距離485m、徒歩8分)だが、

アップリンクからなら894m/徒歩14分なので、

地下鉄に乗るとほぼ同じくらいか、それ以上かかるかな。

まあ豪雨とか大荷物とかでなければ、たいていの人は歩くでしょう。

出町座はその名の通り京阪出町柳駅が最寄り駅(470m / 8分)だが、

今出川駅からもゆっくり歩いて17分(1.1km)で着く。
 

それだけではない。

今出川駅から地上に出れば同志社がすぐ眼の前にあるわけだが、

少し北へ向かって歩くと同志社の寒梅館がある。

ここでときどき映画が上映されたり、その後で監督と映画評論家の先生とのトークが聞ける催しが開かれる。

 

『Playback』上映後には、三宅唄監督が登壇した。古びた野球帽をかぶったその姿は今でも眼に浮かぶ。

アルベルト・セラ監督の『ルイ十四世の死』も一般公開前に寒梅館で見たと思う(2017年11月30日)。
 

そして烏丸御池駅の近くには京都文化博物館があるが、

3階にフィルムシアターがあって、過去の名作を上映している。

 

今月は「春夏秋冬−四季を刻む映画」というテーマで、成瀬監督や木下恵介監督の作品を上映する。

また6月になればEU Film daysが催されてふだんなかなか見られない作品が見られる。

私自身あまり行けていないのだが、

2017年、上野の西洋美術館で「スケーエンの画家たち」展を見た少し後に、

スケーエン派の中心的な画家ペーダー・セヴェリン・クロイヤーの妻を主人公とした映画が見られたのは本当に幸いなことだった。


みなみ会館は今どうなっているのだろう。

東寺には去年の夏以来行っていないが、ビルはまだそのままなのだろうか。

旧みなみ会館は一度閉館してから、洒落たビルとともに復活した。

もう一度、復活してほしい。

シネマ・ライン烏丸線の南を守るのはやはりその名を負いし、みなみ会館。

*距離と徒歩で要する時間はアップリンク以外、MapFanによるものです。
最初、記憶に頼って所要時間等わりといい加減に書いてしまったので、お詫びするとともに訂正させていただきます。