クラシック音楽でクリスマス関連の名曲はやまほどあると思いますが、敬虔なカトリック教徒だったリストにはずばり『クリスマスツリー』というタイトルのピアノ曲集があります。

福田弥著『リスト』の作品目録p.23のタイトルを写しておきます。
 

第1曲 昔のクリスマスの
第2曲 おお、聖なる夜!古い旋律に基づくクリスマスの歌。 
第3曲 かいば桶の羊飼いたち
第4曲 東方三博士の行進曲
第5曲 クリスマス・ツリーのろうそくに火を灯して
第6曲 カリヨン
第7曲 子守歌
第8曲 古いプロヴァンスのクリスマスの歌 
第9曲 夕べの鐘
第10曲 昔 
第11曲 ハンガリー風に
第12曲 ポーランド風に

最初の4曲は伝統的なクリスマスの歌の編曲です。

第4曲は今でも賛美歌として教会で歌われているとか。

ピアノを弾ける方は気に入った曲を弾いて見られるのもいいでしょうね。

しかし週末にじっくり聞いていただきたいのはオラトリオ『キリスト』です。

福田氏によれば、「彼の生涯を代表する傑作の一つであり、彼のさまざまな音楽語法の集大成となる曲である」。リスト自身「私の音楽による遺書である」と言ったそうです。
CD3枚を要する大作ですが、1枚目が「クリスマス・オラトリオ」、2枚目が「公現祭の後で」(公現祭Epiphanyは1月6日,イエスが神として世に現れたことを記念する祭日)、3枚目が「受難と復活」となっています。
 

クリスマス・オラトリオは5曲からなっています。
第1曲 導入部
第2曲 パストラーレと天使のお告げ 
第3曲 喜びの聖母
第4曲 飼い葉桶のそばの羊飼いの歌
第5曲 東方三博士の行進曲

三博士はやっぱり行進するんですね。

ヘルムート・リリング指揮シュツットガルト放送京響楽団他のCDでは第4曲は「飼い葉桶の田園曲(パストラル)」というタイトルになっています。

 

 

 

 

 

田園曲というタイトル通りとても穏やかな感じの美しい曲です。

歌入りなのは2曲目と3曲目だけなので、普段交響曲とか交響詩とかばかり聞いて、あまり声楽にはなじみがないんだな、という人はまず4曲目あたりからのんびりした気分で聞いていただけるといいかと思います。