昨日の日曜、「こんにちは、母さん」を見てきました。そのエンドロールで、最初に現れた「吉永小百合」という文字の背景には、本編の続きで花火があがっていました。エンドロールは邪魔くさいなと思うこともよくありますが、小百合さんの名前を美しく飾るというこの粋な気の利かせ方に山田監督の思いが感じられました。
 朝日新聞の先週金曜夕刊に本作のよいレビューが載っていたので、そのレビューにのっていなかったことで、ちょっと感想を書くと、
①久しぶりに加藤ローサを見た。子育てが忙しいらしいが、あいかわらず可愛かった。可愛い以外になりようのない顔である。
②意固地なホームレスの老人を演じる田中泯が実に面白かった。小百合さんと牧師役の寺尾聰を見て、「できてるな」と一言。空のペットボトルではち切れそうな大きな透明のビニール袋を幾つもくくりつけた自転車を意地だけで押していく必死の形相。橋の上で酔っ払って東京大空襲について大演説をぶって大泉洋を困らす。何度も脳内でリピートしてしまう。

 BSプレミアム(3チャンネル)で深夜、「パルシファル*」を見ました。午前3時半頃のカーテンコールで順に歌手が幕と幕の間から出て来るわけですが、その順番です。タイトルロールのパルシファルが出て、クンドリーがまだだなあと思っていると、クンドリーが最後でした。たいてい主役のパルシファルが最後だと思うんですが。クンドリーは人気のガランチャでした。ガランチャだから取りで、ということかな。事情通に教えてもらいたいです。
ところで、グルネマンツ役のゲエルク・ツェッペンフェルトが田中泯によく似ていた。シブーい!

  *「パルジファル」)という表記の方が一般的ですが、NHKの放送では「パルシファル」でした。小学館独和大辞典(電子版)を引くとParsifal「パルジファル(Wagnerの楽劇で用いられたParzifalの別形)」となっています。Parzifal[pártsifal] は「パルツィファル」となっていました。ワーグナーはParsifalという形を使っていたので「パルジファル」とカタカナ表記をしていたということですね。人名の発音には時代、地方で別の言い方があっても不思議はありませんが、NHKがどうして「パルシファル」にしたんでしょうか。これも謎です。

                                         2023年9月11日