関西で一番うまいオーケストラは京都市交響楽団か日本センチュリー交響楽団だといわれています。そのセンチュリーが9月3日われらが宇治市民ホールでコンサートを開きました。チケットは3000円。ザ・シンフォニー・ホールでの定期演奏会だと、A席は6500円、B席は5000円、C席は3500円ですから、やはり安いですね。
曲目は
ハチャトリアン 組曲「仮面舞踏会」からワルツ
ラフマニノフ  ピアノ協奏曲2番 ピアノ:上原彩子
チャイコフスキー 「エフゲニー・オネーギン」からポロネーズ
         「くるみ割り人形」から4曲
         大序曲 「1812年」
 
 クラシックなんか普段きかないけど近所のホールに来るのなら、ちょっと行ってみるか的スピリットで来る人を退屈させたくないけど、クラシックのファンにも喜ばれるものにしようと苦心した跡がうかがわれるようなプログラムです。
 
私は曲目で行くコンサートを選んでいます。このプログラムで、シンフォニーでの公演ならチケットを買わなかったでしょう。しかし、センチュリーの定期だと、(たいてい平日の夜)、帰りは環状線・京阪の特急(混んでる)・近鉄・歩き20分(タクシー代出せません)で11時頃の帰宅となるので、日曜の午後に10分足らず自転車をこいでコンサートに行けるというのはとても楽ちんです。、

ハチャトリアンはズン・チャッ・チャのリズムにのせて、情動に訴えかける旋律が繰り返され、底なし沼に引きずり込まれそうな感じのする面白い曲でした。
ラフマニノフは名前しかしらなかった上原彩子さんの演奏が聴けてよかっです。
ラフマニノフが終わったところで、休憩になりましたが、前の方数列がガラガラになったのですが、後半の始まる直前にまた埋まりました。

最後の曲「1812年」になって、最前列3列ほどの観客がこちらを向いたのには驚きました。合唱団の人たちだったんですね。プログラムには合唱団91名と金管バンダ18名のメンバーが載っていました。隣の席の女性は名前の欄に指をすべらせ、どうも知り合いの名前をさがしている様子でした。まあ、家族親戚、友人その他の晴れ姿を見に来た人も多いのでしょう。
 それはともかく、指揮者は合唱、バンダとオケ本体の間に位置しているのでどう指揮したかというと。
 まず指揮の飯盛範親氏は半身になっていましたが、前方数列完全に空いたところへ副指揮者中西秀樹氏が登場し、演奏は無事に始まりました。この市民参加型の企画はとてもよかった、と思います。が、家に帰ってインターネットで検索すると、「1812年」演奏中止、という記事が見つかりました。産経新聞の記事を引用すると
九州交響楽団は、9月の演奏会で予定していたロシア人作曲家、チャイコフスキー(1840~93年)の序曲「1812年」の演奏をとりやめると発表した。作品が、ナポレオン率いるフランス軍にロシア軍が勝利したことを題材にしていることから、ロシアがウクライナに侵攻している現在の情勢下ではふさわしくないと判断した。国内では同様に、この作品の演奏を中止する動きが相次いでいる。(2022/3/22)

とのことです。フランス軍がロシアを侵略しようとして失敗したわけなので、勝ったのはロシアであるにせよ、祖国の防衛に成功した、ともいえるわけですが、ウクライナの人はやはり気分がよくないかな。いつ頃曲目が決まったか分かりませんが、今回は問題なしという判断だったわけですね。
ちなみにナポレオン軍には作家のスタンダールも参加していました。コサックに追いかけられながら帰国するのはとても大変だったようです。ナポレオンはちゃっかり先に逃げて帰ってたんですけどね。

会場では来年1月の東京フィルハーモニー交響楽団の演奏会の前売り券が発売されていて行列ができていました。「皇帝」と小曲集。本日と同じ作戦ですね。ベートーヴェンはあまり好きではないので、家に帰ってセンチュリーの277回定期のチケットをインターネットで購入しました。シュトラウスの「ドン・キホーテ」をやるんですね。学生時代にアムステルダム・コンセルトヘボウの演奏会が京都会館であって、「ドン・キホーテ」を聴きました。それ以来なので40年以上たっています。幸い2階正面の席(¥3500)が残っていました。関西フィルだとなかなかこううまくはいきません……