キャンディーズではスーちゃん派だった。
高校生の頃大好きだったのは天地真理。
80年代では菊池桃子。
若い頃は超スイートな雰囲気の女の子に弱かった。

キャンディーズはランちゃんがメインボーカルになってからブレイクしたわけだが。
ランちゃんはコントなどで独特のいいセンスを持った人、
ミキちゃんは眼がぱっちりとしていてとても細い人、
という程度の認識だった。

スーちゃん唯一のソロアルバム「好子」はいかにも大人の女性らしい落ち着いた雰囲気だ。
来生たかおや丸山圭子が曲を書いている。1984年。彼らの時代だった。

一度だけテレビでミキちゃんが歌っているのを見たことがある。
地声で大変迫力ある歌いぶりに、本格的にロックをやりたかった人だったんだ、と思った。

ふとミキちゃん唯一のソロアルバム「夢恋人」を聞いてみた。
ハード・ロックではなくて妖艶路線だった。しかも極上の。
10曲のうち「妖星傳」と「妖精譜」と「妖」の文字で始まる曲が2曲もあるということからして妖しい!?
「春mon amour」でシタールらしき音が聞こえるのも妖しい。
声が美しく、声をコントロールするテクニックも巧緻、情感豊かに歌い上げている。
(あのハードロック、と思った曲は何だったのかな?)

タイトル曲の「夢・恋・人」は1983年春のカネボウのプロモーション曲で16万枚のセールスを記録したとのこと。
「夢・恋・人」と「春 mon amour」の2曲が作詞・松本隆、作曲・細野晴臣。
細野があと2曲書いているほか、仲井戸麗市も1曲書いている。
そして残りの5曲は藤村美樹作曲。ファンはとうに承知のことだろうけれど、意外だった。父上が声楽家で幼い頃から音楽に親しむ環境に育った、と知って少し納得。

アルバム全体のできも素晴らしいものなので、YouTubeで「夢・恋・人」をチェックして気に入ったらアルバムも聴いて欲しい。2014年リマスター盤にはオリジナルの10曲に「夢・恋・人」と「春mon amour」のコーラスつきヴァージョンが加わっている。

朝日新聞にはくりかえし、伊藤蘭のコンサートの広告が載っている、
よみがえれ、キャンディーズ。
でも、行きたいのは藤村美樹のライブだ。