先週、『ナポレオン』以来久しぶりで、宝塚へ行ってきました。
大劇場の改札では、当日スマホに配信されることになっていたQRコードが見つからず、入場できなかったらどうしようとかなり焦りました。
インフォメーションで教えてもらったのは宝塚のホームページから、Webチケットサービス→ 宝塚友の会会員以外のお客様→予約確認へ進み、予約番号と電話番号を打ち込むという方法でした。
申し込んだ時に来ていたはずのメールも消えていたので、予約番号をプリントアウトしておいて命拾いしました。
35分の休憩時間に食べようとお弁当を買っていったのですが、気がつくとロビーも外も椅子が全て占領されてしまっていて、空腹に耐え、Fashionable Empireを見るしかありませんでした。
宝塚は楽しくても、人生はキビシイ。油断は禁物ですね。
今回どうしても『巡礼の年』を見たかったのは、マリー・ダグーとの恋愛を軸にリストの青春時代を描く、という内容ゆえです。
4年前にマリー・ダグーがリストと愛の逃避行を決行した時の日記を翻訳し自費出版しました。
そのタイトルが同じ『巡礼の年』というのですが、リストの伝記等では昔から、マリーとの恋愛期間はしばしば「巡礼の年」と呼ばれてきたので、いまさら誰のアイデアとも言いようもないことなわけです。
クラシック音楽がお好きなら、リストに「巡礼の年」というピアノ曲集があるのをご存じでしょう。
このタイトルそのものに魅力があるので、まあそれ以上のものはなかなか出てこないということでもあります。
タイトルの由来としてはバイロンの「チャイルド・ハロルドの巡礼」の他、ゲーテの「ヴィルヘルム・マイスターの遍歴時代」をあげる人もいます。
ミュージカルはというと、史実を離れ、自由にイマジネーションを羽ばたかせたストーリー展開で、内容の濃いエンターテインメントになっていたと思います。
プログラムを読みますと、最初はショパンとジョルジュ・サンドを取り上げようと考えられていたそうですが、よくぞリスト=マリー・ダグーを選んで下さったと感謝したい気持ちです。
これで少しでもマリー・ダグーの認知度が上がるといいのですが。
ただ、ミュージカルとリアルなマリーの人生はかなり異なる点もあります。
今年マリーの自叙伝を『雪下のマグマ 伯爵夫人の自叙伝』として出版する予定があります(青山ライフ出版)。
真実のマリー・ダグーを知るには最高の一冊です。しばらくお待ちあれ。