NHKの朝ドラ「カムカムエブリボディ」を見ていたら、ひなたがラジオの英会話番組を聴くというシーンで遠山先生の声が聞こえてきました。劇中の朝ドラは「ぴあの」だったので、時代設定は1994年ですね。

 実は私は長年高校で英語を教えていたんですが、会話は苦手で、ラジオの英会話を聞き始めました。最初はマーシャ・クラッカワー先生が講師の番組で、あの頃は確か20分×週6日でした。ニューヨーカーの生活を描いたスキットも面白く、土曜はアンデルセン童話を英語で聞いたりという内容でした。

 遠山先生の番組を初めて聞いたときは、わりとスキットの量も少なめ(10行くらい)なのに、内容がぎっしりつまっているのに感心しました。いわゆる教科書に載ってない表現がいっぱい出て来るんです。そして遠山先生の軽妙なトークにのせられてあっという間の15分でした。授業での発音指導は遠山流を取り入れました。

 この数年は遠山先生の番組と杉田敏先生の「ビジネス英語」をずっと聞いていましたが、去年どちらも番組が終了してしまいました。遠山先生の「英会話楽習」のあとは、「ラジオで!カムカムエブリボディ」という番組が始まったのですが、内容が薄すぎでわざわざ聞く気になりませんでした。杉田先生のあと別の方が同じ「ビジネス英語」を担当されていますが、やはりこちらも聞き続ける気になりませんでした。そのかわりとしてNHK出版から「杉田敏のビジネス英語」という本が3ヶ月に一冊出るようになりました。内容的にはラジオ放送と同程度のレッスンが一冊に4課入っていて、音声もダウンロードできます。一冊税込みで1320円。ラジオのテキストは毎月2レッスンで580円なので、音声を別途購入していた人はともかく、私のようなラジオ派には値上げだし、3ヶ月分で2レッスン減るという問題もあります。

 そして、「遠山顕の いつでも!英会話入門」という本が出ました。こちらも音声ダウンロードつきで1210円です。2022年春号、となっているので、杉田先生の本と同じく3ヶ月毎に出るようです。quarterly季刊誌というやつですね。まあこれも悪くはないですけれど、両先生ともやはりラジオで復活してもらいたいです。

 軽妙なトークも楽しくていいんですが、結局英会話番組の質を決定するのはスキットだと思います。レベルは違いますが、上にあげた二冊の本はどちらも間違いありません。(まだ読んでませんが。)知らなかったという人は、書店のNHKテキストのコーナーで手に取ってみて下さい。