パサージュ・デ・パノラマ<心に残ったモノたち> | PARISから遠く離れていても…

PARISから遠く離れていても…

わが心の故郷であるパリを廻って触発される数々の思い。
文学、美術、映画などの芸術や、最近では哲学についてのエッセイなども。
時々はタイル絵付けの仕事の様子についても記していきます。

 前回はパノラマを紹介しつつパサージュとは何か、それがどういう存在なのか考察をした。

 パサージュが屋外なのか室内なのかということについては、いったんおいて置くことにして、今回はこのパノラマで私の心を捉えたモノたちについて気楽に語りたいと思う。

 

 こちらのギャラリーではブロンズで作られた女性の彫像ばかりの作品を展示していた。女性のフォルムのユニークさもさることながら、何といってもいちばん目を魅かれたのは、描かれた衣装の色と柄である。なんともカラフルで美しい!

 アフリカ系の多いグランプールヴァールが近い土地柄、このような展覧会をやっているのだろうか。この女性のブロンズ色の肌とターパンのような帽子から想像するに黒人女性がモデルだと思われるが。

 美術館巡りももちろんだが、思いがけなくこんな芸術作品とバッタリ出会えるのもまたパリの魅力の一つでもある。




 

 

 思いがけぬ出会いは、またしても私を待っていたかのように訪れた。

 右や左をキョロキョロとしながら進んでいくと、あるショーウィンドウの前で私は吸い寄せられるように立ち止まった。

 それがこの鏡である。

 鏡そのものというよりは、その枠に嵌め込まれた装飾タイルのほうにと言ったほうがいいかもしれない。

 私のブログの読者の方々ならおそらくご存知だろうとは思うのだけど、実は私はタイルに絵付けをする仕事をしていて、こういうインテリアや雑貨などの装飾用に使われているタイルを見ると、普段は大人しく眠っている創作意欲がムクッと頭をもたげてくるのだ。


暗かったのでフラッシュが自動的にたかれて

しまい、反射して見えづらいが…。


 釘付けになったようにその場に立ち止まりジーッと中を眺めている私に、この店のオーナーらしきマダムが気が付いた。


 どうしよう。あの鏡をぜひとも写真に収めたいー


 私はドアを開けボンジュールとマダムに挨拶しながら中へと入って行った。

 店の造りはアジアや世界各国の民芸品を展示したギャラリー風兼ショップのような感じだった。

 最初にとりあえず何かお土産になるような小物でも買って…いろいろ品定めはするもののこれといったものがなかなか決まらない。それもそのはず頭の中はマダムに何と切り出そうかという思いでいっぱい、上の空なのだから。

 

 「とってもステキな鏡ですね」

 私は自分が知っている簡単なフランス語でそれを褒めた。

 マダムはメルシーと言って微笑んだ。

 その後のやりとりは夢中だったので覚えていない。だが私が鏡を撮影するのを気持ちよく許可してくれたところをみると、私の思いが通じたとみえる。

 それにしてもやはり何かお礼の気持ちとして買うべきだったろうか…。



上の写真の絵柄をアップしたもの。

白い釉薬をかけた上に絵付けをしたマヨルカ

タイル。植物の立体感の付け方が参考に!




 パノラマの出口付近に確かあったレストラン。

 これから始まるランチのメニューをガラスに書いているところ。

 こういう何気ない生活の一場面がなぜか絵になるのもパリ。

 ところでこの写真を見て、皆様はどう思われますか?

 これは果たして室内?それとも屋外?




 


前回の記事をまだ゛ご覧になっていない方は併せてお読みください。

     ↓       ↓       ↓

パサージュ巡り②パサージュ・デ・パノラマ<庶民的で哀愁漂う散歩道>

http://ameblo.jp/vingt-sann/entry-12169118896.html


  


次回は見どころ満載のパサージュ・ジュフロワを御紹介いたします。

お楽しみに!!


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