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執行草舟チャンネル【公式】から
こちらの展覧会に行ってきました!!
絵画に興味のある方なら
これが誰の絵かもうお分かりでしょう。
また興味がないという方でも
最近とみに話題の量子物理学や
原子核物理学の世界などを
(これは個人の感想)
彷彿とさせるような構図に
魅せられるかも?!
球体のガラテア/1952年
描いたのはスペインの鬼才
サルバドール・ダリ
ガラテアとは彼のミューズであり
愛する妻だったガラのこと。
1945年8月6日といえば
広島に原爆が投下された日
ダリはこの日ガラの絵を描いていた。
フランスから亡命先のアメリカ地で
その惨劇に触れたのであるー。
ダリ(1904ー1989)
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〈今回の展覧会について〉
展示はダリだけではなく
あくまでも『宇宙の響き』という
コンセプトのもとに共鳴し合う
日本の作家たちを含めたもの。
(※展覧会出品作家などは最後の
地図のあるハガキ裏面をご覧下さい)
とは言うもののやはり今回は
メインのダリを中心に御紹介したい。
(※ダリ以外には作家名を入れています)
なんと太っ腹なことに![]()
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そのうえ展覧会は無料![]()
(※予約が必要ですが)
ラファエロの聖母の最高速度/1954年
亡命先アメリカで惨劇を知って以後
量子物理学と原子核物理学に
傾倒するようになったダリは
母国スペインのカトリシズムへ回帰。
ラファエロの聖母は粒子に分解され
宇宙へ解き放たれる。
前の『球体のガラテア』と共に
「原子核的神秘主義」といわれる傑作だ。
つまり神秘が科学の言語に
翻訳されるとはこういうことなのだ。
原爆の破壊と創造のエネルギーは
製造元のオッペンハイマー自らを
〈世界の破壊者〉と言わしめたが
ダリには飽くなき創造の源となった。
佐藤 忠/独自の金属表現による彫刻
母と子 聖母マリア/1959年(リトグラフ)
こちらもダリが原爆に衝撃を受け
神秘思想に加えて古典回帰への
傾倒を深めていた時代の作品。
きのこ雲の上に浮かぶ聖母とキリストは
もしかすると被爆の影響をもろに
受けているように見えなくもない。
きのこ雲の上に浮かぶ聖母とキリストの
翌年に描かれた古典回帰時代の作品。
ガウディとダリの二人の天才は
同じくスペインのカタールニャ出身。
ダリのシュルレアリズム的精神は
ガウディの曲線的且つ有機的な
建築スタイルから大いに刺激を受けた。
そんな二人が聖母の王冠を争うという
激しく火花が散るような構図。
ダリの名前サン・サルバドールは
サン=聖なる、サルバドール=救世主
という意味である。
最後の晩餐の秘蹟/1955年
年代からみても原爆に衝撃を受け
神秘思想への傾倒を深めていた中
レオナルド・ダ・ヴィンチで
有名なこの題材をダリらしい表現で
つまりシュルレアリスム(超現実主義)と
カトリシズム神秘主義との融合を
試みた作品である。
何といっても中心の聖母マリアを
妻ガラに見立てて描いたり
キリストの秘蹟を光学的錯覚で取り入れたりと
『球体のガラテア』などと共に
「核神秘主義」を代表する作品である。
シュルレアリストエンジェル(ブロンズ)
天使はやはりダリにとっても
両性具有的な存在なのだろう。
それは妻ガラとダリを併せた
アニムス&アニマの合体でもある。
展示室内の様子A
展示室内の様子B
室内の様子は一目瞭然でわかるように
朝1だったので誰もまだいない状態。
いや、いたとしても数えるほどで
お陰で十分に堪能できたと思う。
宇宙ヴィーナス/1981年鋳造( 彫刻ブロンズ)
一つ上の写真の左端にあったもの。
これについては館長の執行草舟氏が語っているので、そのまま引用させて頂くことに。
(戸嶋靖昌記念館発行/ARTIS40 2026年5/1号のインタビュー記事より)
あのヴィーナスはお腹が真っ二つに割れて卵が立っている。これは振動の中の創造エネルギーを捉えています。首には溶けた時計がくっついていますが、これは時間が空間の中に吸収されていくことを示唆してしています。地球上では、我々はエントロピー増大の法則によって時間に縛られている。この時間が無くなった、本物の宇宙の振動と真正面から向き合っている状態を〈宇宙ヴィーナス〉は捉えているのです。時計を溶かすことによって、時間が宇宙空間の中、つまりダークマターの中に吸い込まれていく様子を表現しています。ダリが特に好んだ時間のモチーフです。
ダリの絵に度々登場する溶ける時計は
カマンベールチーズから着想したとのこと
地上でこの宇宙から来る創造と破壊の
振動を最も分かりやすい形で
表現している芸術の一つがダリ
ー執行草舟ー
新人類の誕生を見つめる地政学の子供
原画1943年制作/
シークレー(高精密デジタル版画)
卵繫がりで並べてみたこの絵は
第二次世界大戦中の激動する時代を
シュールリアリズム的に捉えた作品で
原爆が落とされる2年前に描かれたもの。
浮かぶきのこ雲にも見えるものが
その後の惨劇の世界を予感させる。
地球という卵から生まれ出た世界
ヨーロッパ、アフリカ、アメリカ大陸
その中から今まさに新しい人類が
誕生するところを見守る子供。
嘆きの壁/1975年(リトグラフ)
1967年の第三次中東戦争によりユダヤ人が
〈嘆きの壁〉に到達可能になった後に
イスラエル建国25周年を記念して
イスラエル政府より制作を依頼されたもの。
ダリの母親はユダヤ系の血筋で
ダリ自身の認識もそうだったと言われるが
事実としての裏付けがあるわけではない。
ダリの妻ガラはロシヤ系ユダヤ人である。
嘆きの壁はエルサレムの聖地にあり
ヘロデ大王時代のエルサレム神殿の
外壁のうち現存する部分である。
立原 青 / 原始の出発(写真)2015年
独学で写真技術を習得し
フィルムからデジタルまで
深みのある表現を追求し続ける。
まるで原初の惑星の姿を思わせる
モヤっとした煙とも空気とも名付け難い
モノクロームの世界の中心から
湧き出る光は命の淵源だろうか。
この他にも無形の砂を題材にした
印象的な作品が展示されていた。
最後は
戸嶋靖昌(1934ー2006)
/Desunda de la lunaー月のDesundaー(1990)
人間の外側ではなく
その内面を描こうとした
そう思わせる作品の一つである。
スペインのグラナダを拠点に制作を続け
晩年に執行草舟氏と親交を深め
この美術館「戸嶋靖昌記念館」は
彼の名に因んで命名された。
(※作品を撮影する際に反射で自らが映り
込んでしまうのを避けられず残念だった)
参考資料/ 戸嶋靖昌記念館発行/ARTIS40 2026年5/1号
ここに紹介した以外の作品たちも
ご自分の目でぜひ確かめてほしい。
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by vingt-sann
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