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フランス, アルザスワイン365日記

フランス、アルザス在住言語学博士
★アルザス生活の中の日々の徒然
★アルザスワイン、ワイナリーに関する記事を執筆中

アルザスワイン、グランクリュ

 

CIVA(アルザスワイン委員会)のサイトを元に、アルザスワインについて詳しく書いていこうと思う。

 

Alsaceグラン・クリュ

アルザスには、1000年以上も昔から有名なワインもあれば、数十年前からその名を知られるワインもある。

しかし全てのワインは、特別な地質や気候、畑の方角の組み合わせから構成される恵み豊かなテロワールから生まれる。 

 

【歴史】

遠い昔からブドウ栽培やワイン醸造に特徴を与える特定のリュー・ディの存在に着目していたアルザスのワイン生産者は、9世紀に入ってすぐ、グラン・クリュと言う概念の下地を作り上げてきた。こうして、ワイン生産者の世代から世代へと受け継がれてきたノウハウや観察によって、最高のテロワールが生まれた。

現在、アルザスでは最も注目すべき土壌は多くの場合斜面に位置し、畑の方向も重要になる。そんな中地質学的および気候的な厳しい条件を満たす51のテロワールがグラン・クリュ・ダルザスとして認められています。グラン・クリュの生産量は、アルザス地方のワイン総生産量の4~5 %に相当する。

 

【アルザス地方の偉大なテロワール】
標高200m~400m、ヴォージュ山脈麓の丘陵地に位置し、理想的な日照条件を備えたグラン・クリュは、溢れるほど注ぎ込む日差しと驚くほどの多様性に富んだ土壌の恩恵を受けている。
更に、各テロワールに適合するブドウ品種を厳選することで、ブドウの実がゆっくりと時間をかけて成熟し、見事なフィネスを備えたアロマが生み出される。

さらに、丘の中腹の日照条件、その傾斜、土壌の熱を蓄える能力、土壌侵食の保護、全てのミクロクリマに影響を与える可能性のある川の存在など多くの条件により、51のグラン・クリュに恩恵をもたらしている。

 

【複雑な地質を特徴とする土壌】

アルザスの偉大なテロワールの特徴は、比類なき多様性と豊かさを誇る土壌のモザイク性によって生まれると言われている。グラン・クリュを筆頭に、他のリューデイーと呼ばれる土壌に関しても、アルザスワインの並外れた多様性とは、この無限の組み合わせによって生まれている。

この驚くほどの多様性を誇るテロワールは、変化に富んだ地殻変動の歴史によってもたらされ、アルザスのブドウ畑には第一紀から第四紀の間に構成されたほぼ全ての地層が存在する。

今から1億5千年前、現在のライン地溝帯に当たる場所には海が広がっており、基盤岩(花崗岩)に砂岩や石灰岩、泥灰土などの堆積岩層を形成。



●約5千年前の第三紀、アルプス造山運動の発生後にライン片岩山地の中心が陥没したことで、徐々に現在のライン川周辺の沖積平野が形成された。

①断続的な陥没によって、複雑な地質層と土壌のモザイク化が構成されていった。

②続いて、海や川からの堆積物、さらに風化や浸食の働きによって、さらなる複雑性が加わった。

➂最終的に、アルザス側の地溝帯は、

  ⑴ヴォージュ山脈(花崗岩や砂岩、一部で頁岩)、

  ⑵ヴォージュ山脈の麓の丘陵地、

  ⑶驚くほどの多様性を誇るライン川周辺の沖積平野(泥灰土や沖積土)

 

の3つに大別することができる。


その他、ブドウ畑は4つの断層地帯(サヴェルグ、リボヴィレ、ルファック=ゲヴェウィレール、タン)によって、さらに分断化されている。

 

【岩からワインへ】
アルザス地方のグラン・クリュ(特級畑)は、主にブドウ畑の高い場所に広がっており、各区画がそれぞれ独自の地質を有しており、10種類の異なる土壌に大別する事が可能:

 

●山脈の麓 En bordure de montagne

①花崗岩および片麻岩土壌 Terroirs granitiques et gneissiques 

ヴォージュ山脈の傾斜に位置し、火山岩または溶岩などの岩に亀裂が入り、風化して粗い砂に変化した真砂土と呼ばれる砂から構成されており、保水力の低いことが特徴。この土壌の肥沃度は、そこに含まれる微量要素に左右される。化学的に酸性のテロワールからは、若いうちから表現力に富む、軽い質感のワインが生まれる。

 

②頁岩土壌 Terroirs schisteux 

頁岩(けつがん)とは、地殻内の粘土が圧縮され薄く層状になった岩の事。アルザス地方では比較的珍しく、アンドルーやヴィレで見られる非常に肥沃な土壌。このテロワールからは、爽やかさを軸に構成され、テロワールの特徴を備えた、長期熟成型のワインが生まれる。

 

➂火山性土壌 Terroirs volcano-sédimentaires 

3億年前、火山から噴出した溶岩や灰が水中で固結したことから生まれた土壌。岩は硬く、コンパクトで、あまり風化することはない。 地温保持力に優れ、岩でごつごつしたテロワールは、品種の特性を超越。 スモーキーな香りを伴い、豊満で肉付きの良いワインが生まれる。

 

 

➃砂岩土壌 Terroirs gréseux 

砂岩とは、石英粒が固結してできたもの。地質学的には花崗岩と近く、酸性で砂状という同じ特性があり、砂岩土壌では、その表現力が異なる。このテロワールからは、垂直にすっと伸びるようなしっかりとした酸味と控えめな香りのワインが生まれる。 また、ワインの持つ複雑性を楽しむには、長期熟成が必要。

 

●ヴォージュ山脈麓の丘陵地 Collines sous-vogiennes

➄石灰質土壌 Terroirs calcaires

アルザス地方の石灰岩は、第二紀の海洋性石灰岩を意味する。この土壌が最も広がっているのは、ムシェルカルクおよびドッガーの区画。石灰岩は簡単に風化し、非常に小石の多い土壌となる。化学的にアルカリ性のテロワールからは、酸味ある美しいストラクチュアが特徴のおおらかでどっしりしたワインが生まれる。若いうちは非常に閉じているが、時と共にレモンのような風味を表現する。

 

⑥泥灰土・石灰岩土壌 Terroirs marno-calcaires

この土壌は、泥灰土(マール)と石灰岩の分厚い堆積物から、ゆっくりと時間をかけてできる礫岩(れきがん)と呼ばれる岩から構成される。泥灰土がもたらす力強さが、長く複雑な美しい酸味によって支えられている。若いうちは寛容で、長い余韻が特徴のワインだが、熟成することでミネラル感が加わる。石灰岩の割合が多いほど、ワインにはより多くのフィネスが備わる。

 

泥灰土・砂岩土壌  Terroirs marno-gréseux

石灰質砂岩土壌に属する砂岩土壌の1種。同じく第三紀の砂利だが、この場合は砂岩質の小石となる。 泥炭土が、ワインに力強さを与えると同時に砂岩が軽やかさをもたらす。砂岩土壌に比べるとより寛容で、泥炭土土壌よりも複雑なアロマを持つワインが生まれる。

 

➇泥灰土・石灰岩・砂岩土壌 Terroirs marno-calcaro-gréseux

ヴォージュ山脈麓の丘に多い土壌。粘土、石灰岩、砂岩から構成されている。岩石の多様性によって、豊富なミネラル成分を含む土壌。 そのため肥沃で保水力が高く、深い土壌で、力強さをもたらす泥炭土に反し、石灰岩と砂岩は軽快さをもたらす要因となる。この相反する構成を調和させるため、ワインは一定期間の熟成が必要。

 

➈石灰岩・砂岩土壌 Terroirs calcaro-gréseux

アルザス地方では比較的珍しい土壌。一般的に石英の粒子が石灰によって固められた砂岩質石灰岩または石灰質砂岩を意味する。これらの岩が風化することはほぼない。非常に多くの砂利や小石を含む土壌は、ミネラル成分の含有量が低くなる。 やや強烈なフローラル系の表現力を伴う、緊張感あるワインとなる。

 

⑩粘土質泥炭土土壌  Terroirs argilo-marneux

軟質でありながらもコンパクトなこれらの岩の主要構成物質は粘土で、常に重く厚みのある土壌。粘土がもつ様々なミネラル成分を保持する能力によって、肥沃な土地になる。このテロワールから生まれるワインは、力強いストラクチュアを持ち、その潜在能力を発揮するには長期熟成が必要。粘土の含有量が高く、白ワインであってもタンニンの存在を感じる。

 

【引用 CIVAサイトhttps://www.vinsalsace.com/fr/