フランス, アルザスワイン365日記 -53ページ目

フランス, アルザスワイン365日記

フランス、アルザス在住言語学博士
★アルザス生活の中の日々の徒然
★アルザスワイン、ワイナリーに関する記事を執筆中

フランクシュタイン FRANKSTEIN 13

ダンバック=ラ=ヴィル DAMBACH-LA-VILL

純粋な花崗岩。

  • 土壌の種類 花崗岩質
  • 栽培面積 56,20ha
  • 畑の方角 東/南東
  • コミューン ダンバック=ラ=ヴィル
  • ALTITUDE220~330m
  • ブドウ品種(割合%)
    • ゲヴュルツトラミネール 49%
    • リースリング 27%
    • ピノ・グリ 22%
    • ミュスカ 2%

ワイン

フランクシュタインのワインは、しっかりと造りこまれた、上に伸びるような酸味によって、見事な余韻を残す。グラン・クリュのミネラル感は、バランスの良さと長い余韻を与えるレースのように繊細な独特な塩味の感覚が特徴。
 

テロワール

ワインの特徴

リースリングは、優れたフィネスの表現力を持ち、ニワトコやアカシア、アーモンドの花など、フローラル系のアロマを漂わせる。口に含むとカシスの新芽や新鮮なミントのような繊細なアロマを感じさせる。潤いがありクリスタルのようなミネラル感がある、真っすぐで純粋なワイン。

 

このテロワールのゲヴュルツトラミネールは、羽のように非常に軽いワイン。梨とパイナップルのアロマが薫る。口の中に、カルダモンやサフラン、アーモンドグリルのスパイシーなアロマを感じる。例え完熟していても、この品種はミントの香りと共に独特の爽やかを保っている。ワインが持つ爽やかで、上に伸びるような酸味が、テロワールの本質を呼び起こす。数年間の熟成後には、オールドローズの若々しいアロマが、樹脂と松の木のハチミツのアロマと入れ替わる。

 

フランクシュタインのピノ・グリは、ガストロノミーとの相性が良く、そのバランスの良さが特徴。フィネスとミント系のアロマを通して、テロワールの味わいをもたらす。品種の特徴であるスモーキーなアロマが、ここでは驚くほど純粋で、羽のように軽いフローラル系のアロマと入れ替わる。

 

ミュスカは、ブドウにかじりついたような果実味と美しいフローラル系のアロマを表し、この品種もテロワールの特徴であるミントの香りをレースに包んだかのように、ほのかに表現。

 

ダンバック=ラ=ヴィルの村を見下ろす特級畑の大きな特徴は、花崗岩を基盤としたこの土地の地質。

 

 

場所

フランクシュタインの特級畑は、ダンバック・ラ・ヴィル村を見下ろす位置にある4つの丘に広がっている。畑は南および南東、最高の日照条件を備えた方角に向いており、このテロワールの神髄を最大限に引き出すため、正確に区画分けされている。

 

土壌

フランクシュタインの主な特徴は、表土および下層土が花崗岩質から構成される地質。この基盤岩は非常に軽く、小石と砂が混ざり、深さがないために、場所によっては根源岩が表面に露出している。

ダンバック・ラ・ヴィルの花崗岩は、次の4つの鉱物から構成:

  • 石英、純シリカ、酸性
  • 白雲母、黒よりも硬く、銀色の細かい粒に分解する
  • 溶解する黒雲母 
  • 数百万年のサイクルを経て、幾重にも重なった薄い層の粘土に変化する風化した長石

フランクシュタインの花崗岩質の基盤岩は、霜や雪解けの作用、そして土壌の微生物の働きによって表面が分解されている。その結果、「真砂土」と呼ばれる砂と石が混ざった土壌が生まれる。分解する根源岩からは、ミネラルが放出、例えば雲母は、粘土に似た、幾重にも薄く重なった構造を持っている。水の存在により、これらの層が膨張し、雲母に含まれる鉄分やマグネシウムなどのミネラルを放出。これらの花崗岩特有のミネラルがワインに混ざり合うことで、非常に独特な繊細で潤いあるミネラル感を与える。

しかし、軽い土壌のため、有効水分量が非常に低め。幸いなことに、ダンバック・ラ・ヴィルの花崗岩は非常にひび割れているため、ブドウの木が地中深くまで根を伸ばすことができ、そこから必要なだけの養分やミネラル、水分を補給することが出来る。

特級畑の真砂土には、土壌有機物の含有量が少なくなっていく。「栄養が少ない」ため、ここのブドウ畑では小さい実が実り、驚くほど凝縮感がある。土壌の軽さが収穫量に与える影響が、果粒の凝縮に一役買っている。

砂と小石、岩が重なった層が、ブドウの衛生状態に非常に好ましい排水性を有するため、フランクシュタインでは、ボトリティス菌の発生を抑え、ブドウが完熟することが出来る。

 

ミクロクリマ

テロワールの上部にそびえ立つバーンスタイン山が、偏西風から畑を守っている。

畑の方角が南、南東であることから、ブドウの均一な生育に必要な日差しと暖かさを区画全域にもたらす。日中は、様々な大きさの粒径の岩が熱を吸収し、夜になるとその熱を放出するため、フランクシュタインは暖かく早熟なテロワールになる。
収穫時期に近づくと、花崗岩質の石によって蓄えられた熱は、ブドウの成熟をうながす。 

 

人々

Confrérie des Bienheureux du Frankstein(フランクステイン ワイン騎士団)は、中世時代から歴史が続くグラン・クリュの名声を今に引き継いでいる。現在の生産者たちは、彼らが受け継いだ素晴らしい自然を保護し、さらにその価値を高めるよう、日々の努力をしている。

 

受け継がれる遺産
1292年の文献によると、ストラスブールのサント=トネス修道院が、「Am Frankenstein」にブドウ畑を所有していた。しかし、所有者は彼らだけではなく、12世紀初頭、ストラスブール大聖堂の聖堂参事会の本部を城塞内に設置し、当時の司教たちは戦略的な土地とブドウ畑を確保するために休戦することなく争い続けていた。1328年、Wurtemberg公爵のライバルBerthold von Buscheckは、国一番のクリュを独占する争いで、「Tambach」の村に防壁をつくり、町へと昇格。

【Victor Canales SYNVIRA】

1452年以降、コルマールのウンターリンデン修道院とストラスブール司教区が、この地域のブドウ畑を所有していたことを示す文章も残されている。

このグラン・クリュにはテロワールの利点、生産者の創造性、醸造家としての仕事を人々と分かち合う喜びの間に密接な関わりがある。先祖から受け継がれた知識と技術を守り続けるため、現在の生産者はフランクシュタインの土地の独自性を多くの人に知ってもらうための取り組みを行っている。その目的のためConfrérie(ワイン騎士団)を発足させたアルザス地方で唯一のグラン・クリュであり、それが 1990年に設立された「Confrérie des Bienheureux du Frankstein」なのだ。

 

ブドウ畑と土地に対する愛情

フランクシュタインの生産者は、自然と調和し、ブドウ畑に特別な気配りを与えることに重点。環境を尊重し、このテロワールの独自性を余すことなく表現する事を目的とした、ブドウ栽培憲章を制定。
土壌の健康状態を保つため、生産者はブドウの木の列の間は除草せず、化学肥料の使用を禁止。美しい景観を与え、生物多様性を維持する特級畑内に点在する生垣と石垣の保存と整備に努めている。

選び方とサーブ

熟成能力

フランクシュタインのワインは、心地よい果実味があるため、若いうちから楽しめる。しかし、テロワールを存分に表現させるには最低でも10年の熟成が必要。

ミネラル感のあるワインが好きな人は、味わいが最高潮に達する15年間の熟成を待った方が良い。

2年から3年の熟成後に開くグラン・クリュ、続いて最低8年間は安定し、その後になってようやく全てのミネラル感を表す。

 

早熟のヴィンテージ:洗練され、柔らかく、まろやかな甘味があり、弾けるような高い緊張感を残す。
晩熟のヴィンテージ:柑橘類のゼストまたは果肉の香りを運ぶ緊張感、その表現力は見事だ。洗練されたミネラル感と長くしっかりとした余韻のあるワイン。

 

お勧めの料理

フランクシュタインのワインは、まさにガストロノミーのために造られていると過言ではない。花崗岩土壌の力強さから生まれるワインは、味の濃い洗練された料理を求る。

リースリング・グラン・クリュ・フランクシュタインは、パイクパーチやマスなど、味わい深く、クセの少ない川魚によく合う。レモンまたはリースリングを使ったシンプルなソースを添えれば、グラン・クリュのクリスタルのようなミネラル感を見事に引き立てる。さらに、このミネラル感が、魚の繊細な風味を強調。その他にも、魚の赤(白)ワイン煮、川かますのクネル、レモンの皮とポワレしたザリガニまたはホタテ貝とも素晴らしいペアリング。
同様に、魚のタルタルステーキ、または刺身もフランクシュタインのミネラル感を非常に良く引き立ててくれる。
リッチなヴィンテージ(2009年または2006年)とならば、ブッシェ・ア ・ラ・ レーヌまたは鶏肉が、ワインの特徴であるミネラル感を強調し、ワインの厚みが料理の味を引き立てます。子牛のブランケット、オッソブーコ、ミラノ風カツレツとも同様に完璧な組み合わせになる。
花崗岩から生まれたリースリングは熟成後、パルメザン、アボンダンス、サレール、ヴュー・コンテ、トム・ド・モンターニュなどのチーズと楽しめる。

ピノ・グリ・グラン・クリュ・フランクシュタインは、テロワールの特徴を引き出すことのできる、やや豊かな味わいの料理と合わせる。スモークサーモン、野鳥料理、モリーユ茸のソ-スを添えた鶏肉、ウズラ、子牛の胸腺などが、ワインの味わいを邪魔することなく、ミネラル感を引き立てます。当たり年のワインは、フォアグラのポワレ、鴨肉のオレンジソース、またはタジンと合わせるのもいい。

アロマの表現力がデリケートでありながらも非常に豊かなゲヴュルツトラミネール・グラン・クリュ・フランクシュタインは、ライチ風味またはカレー風味の鴨の胸肉と非常によく合う。同様に、ウズラのフォアグラ詰めも素晴らしいペアリング。しょう油の味を利かせたお寿司も試す価値もある。アルザス産マンステールまたはブルーチーズなど、味の強いチーズとも相性の良いワイン。クグロフまたはブリオッシュに合わせることもできる。

 

【引用 https://www.vinsalsace.com/fr/grands-crus/