フロリモン FLORIMONT インゲルスハイム&カッツエンタール34 | フランス, アルザスワイン365日記

フランス, アルザスワイン365日記

フランス、アルザス在住言語学博士
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フロリモン FLORIMONT

インゲルスハイム&カッツエンタール  INGERSHEIM & KATZENTHAL

光が満ち溢れる大地、化石の混入する石灰質土壌、フロリモン特級畑の斜面には、黄色いチューリップ、アネモネ、野生のランが咲き乱れ、このテロワールに豊かさと気品を与えています。

  • 土壌の種類 粘土質石灰岩
  • 栽培面積 21ha
  • 畑の方角南、南東、東
  • コミューン インゲルスハイム&カッツエンタール INGERSHEIM & KATZENTHAL
  • ALTITUDE 250~280m
  • ブドウ品種(割合%)
    • ゲヴュルツトラミネール 38%
    • リースリング 34%
    • ピノ・グリ 25%
    • ミュスカ 3%

ワイン

早熟なテロワールなため、過熟を促進しワインに豊満さと寛容さを与える。骨格の密度が高く、力強いワインでありながら、見事なフィネスも備えている。その酸味は、他のワインとは一画をなす軽さを与える。
 

テロワール

フロリモンワインの特徴

●リースリングは、香り高く、厚みがあり、熟した酸味と非常にエレガントな柑橘類のアロマによって支えられている。

●ゲヴュルツトラミネールは、フローラルと凝縮した柑橘類の香りを備えています。密度が高く、肉付きの良いワイン。

●ピノ・グリは、テロワールの特徴を備え、コクがあり、豊かで、官能的。非常に繊細な構成のワイン。

●ミュスカは香り高く、テロワールの特徴を備えている。適度な過熟がミネラル感を強調し、この品種の特徴である濃厚なアロマを漂わせている。

 

フロリモン産ワインの特徴である密度の高い構成は、軸となる酸味とバランスが取れ、他のワインとは大きな違いを生み出している。

 

豊満さと寛容さによって、他のワインとは一画をなすフロリモンのグラン・クリュ。
ボリューム感があると同時に肉付きの良いストラクチュア。ここでは、爽やかさがワインのテロワールそのものと言える質感に見事に溶け込んでいる。アロマは、香り高く力強い質感と、素晴らしいハーモニーを奏でている。白コショウを感じる濃厚さによって、ワインに洗練された軽い余韻を与える。

ここでは、ゲヴュルツトラミネールがその力を最大限に発揮。全体的にフルーティーでスパイシーな味わいが、優しくバランスよく展開。その他の品種(リースリング、ミュスカ、ピノ・グリ)は、フロリモン特級畑のテロワールから、成熟したブドウの証である下草または乾燥した草の香りを与えられる。

 

自然

粘土質石灰岩土壌のテロワールが、コルマールの特定の地域における典型的なミクロクリマや日照条件の良さと組み合わり、フロリモンの丸みが、さらに豊かになっている。

 

場所

フロリモンの特級畑は、インゲルスハイムとカッツエンタールの村、標高308mの丘の上に広がっている。畑の方角は東、一部が南を向き、ニーデルモルシュヴィール(Niedermorschwihr)へと向かう小さな谷の中に位置。丘の頂上には、ダウニーオークの森林が広がり、温暖な気候を好むさまざまな種類の植物を保護。

ブドウ畑は頂上に森林がこんもりと茂った丘の中腹、標高250m~280mの円弧状の斜面に植えられている。

 

土壌

粘土質石灰岩土壌で、比較的小石が多く、ブドウ栽培には非常に最適な土壌。畑の下には、ヴォージュ山脈の土壌浸食によって生まれた漸新世初期の礫岩の間に泥灰土が挟まった厚さ数百メートルの層がある。ここでは、非常に異なる2つの層が存在。

  • 1つはジュラ紀ムッシェルカルクの石灰岩とヴォージュ山脈の三畳紀ブンテル砂岩の砂岩から形成。
  • もう1つは、より深く、ジュラ紀バジョシアン階の白色ウーライトの石灰岩。

石灰石が大量に混入しているため、ブドウの根が地中深くまで簡単に伸びることが出来る。マグネシウムが豊富に含まれ、温まりやすい土壌で有効水分量は平均的。

 

ミクロクリマ

特級畑は暑い春、乾燥し日差しが非常に強い夏、長い秋、寒い冬という乾燥した大陸性気候の恩恵を受けている。

さらに、この土地ならではの特異性が組み合わさることで、ミクロクリマを生み出す。頻繁に吹く西風は、ヴォージュ山脈の西部を通過する際に湿気を失い、フェーン現象が発生し、アルザス地方には暖かく乾燥した風となって流れ込む。フロリモンの緯度を考えると、この風は予想外で嬉しい乾燥と暖かさをこの地にもたらす。
この現象に加え、ヴォージュ山脈の頂上による保護を受け、年間降雨量が550mmと非常に低く、フロリモンの驚異的な日照時間(年間1725時間)は、東から南に広がる畑の方角による。 
フロリモンの丘は、円弧状の珍しい独特の形をしているために、日当たりが良く、ブドウの成熟を促す。

 

ブドウ品種

ゲヴュルツトラミネールとリースリング、ピノ・グリは、ブドウの成熟を促す午前の日差しに恵まれた畑の方角の恩恵を受け、その繊細なアロマを余すことなく表現。

 

人々

ここでは、ブドウの花がアネモネやランと共存。そよ風が通り抜けるフロリモンの特級畑では、中世時代から栽培が行われている。

 

インゲルスハイムでのブドウ栽培は、中世時代から盛んに行われていた。ハプスブルク家に誓約を誓ったオーランズベール領主の所有地だった。Lupfen子爵やSchwendi男爵などの当時の領主は、アルザス地方のワイン栽培に力を注いでおり、フロリモン産ワインを愛し、その名を広めることに貢献。

1983年11月付けの政令によって認定されたAOCアルザス・グラン・クリュだが、フロリモンは最初に認められた25区画の中には選ばれていなかった。1992年12月17日の政令によって、やっとその素晴らしさが認められた。

年老いたブドウ栽培者は、昔は3月になるとアネモネが、6月になると野生のランが畑を埋め尽くしたと語られ、このことから、この丘をいつしか「 le mont fleuri」(花咲く山)と呼ぶようになった。

選び方とサーブ

ヴィンテージ

  • 2008年 :熟成能力の高さを期待させる爽やかなヴィンテージ。
  • 2009年:まろやかな甘さでリッチな味わい。特にピノ・グリとゲヴュルツトラミネールは、熟成能力が高め。
  • 2010年:少ない収穫量。その味を開かせるために、まだまだ熟成させたい年。
  • 2011年:調和のとれたヴィンテージ。熟成能力が高め。
  • 2012年:アロマの純粋さ、素晴らしい爽やかさ、高い熟成能力。

 

当たり年:
2000年、2001年、2005年、2007年、2009年、2011年

 

3年または4年の熟成後、開くグラン・クリュ。

熟成によって質感がより濃厚に進化し、バターのような風味が現れます。

早熟のヴィンテージ:コンフィや加熱した砂糖の香りが特徴のワイン。優しく、包み込むような味わいがあります。

晩熟のヴィンテージ: ブドウにかじりついたような感覚を生む爽やかさが、舌に心地よい喜びを与えます。潤いがあり官能的な後味。 

 

お勧めの料理

フロリモンの寛容さが、料理を導きます。

 

ガチョウまたは鴨のフォアグラをベースにした「甘辛い」料理との相性が抜群。軟質チーズまたはパセリをまぶしたチーズも、このグラン・クリュが持つ豊かさと見事にマッチする。ワインの密度の高さ、豊満さが、チーズの個性や塩味と、上手にバランスを取ってくれる。