フランス アルザスを離れて
パリで開催されたワインイベントに行ってきた。
今回はVinexpoとWineparis共同展示会。
BToBのイベントなので、ワイン業界の方は知っているだろうが、一般の人にまでは認知されていないイベントかもしれない。
そしてもちろん、パリでもアルザスワインを中心にレポートをお送りしたい。
3日間の密度の濃いワイン見本市、テイステイングをしていくだけでもかなり時間がかかるので、ある程度事前に下調べをして行った方が良いだろう。
結局見たいところを全て周りきれず、残念だった。
その中でもアルザスワインが個人で出展しているワイナリーもあればあるほどまとまった団体として出展しているところもあり、そんな中に垣間見えたアルザスワインの現状をまずはお送りしていきたいと思う。
会場はパリのPorte de Versailles 街中にある展示会会場でアクセスも良い。
しかし必ずしもそうと言うことではないのか、地方ごとにホールが分かれていたので、まずは6ホールへ
35社ここに出展していたと言うが、今回の展示会には約70のアルザスワイナリーが参加していたそうだ
アルザスワインの出展はCIVAと言うアルザスワイン委員会から出展しているが
その周りを大規模なアルザスのコオエラテイブと呼ばれるワイナリーが出展していた。
あるアルザスワイナリーの話によれば、アルザスは600ほどのワイナリーがあるそうだ(以前見たアルザスワイン街道のフライヤーには980となっていたが今はどんどん減ってきているそうで、確かな数字ではない…)
それでもかなりの数のワイナリーで、それが一段結をしてアルザスワインをプロモーションしようと言うのは難しいことのようだ。
このアルザスワインパビリオンにも30軒以上のワイナリーが出展していたが、ここ以外にもアルザスワインが多く出展されていた。
このパビリオンに来れば、アルザスワインが堪能できると終わってしまうといけない。
まずはアルザスワインパビリオンだが一角で全パビリオン出展者のワインが試せるコーナーがあった。
まずはここでテイステイングをして好きなワイナリーを見つけるところから始められるのが良い。
私が個人的に好きなワイナリー
mauriceschoech も出展していた。
個人的と言うのは確かに美味しいワインを生産しているのだが、私が最初に偶々行った始めてのワイナリーなのだ。それ以来毎年一回はお邪魔している、個人的に思い入れのあるワイナリーだ。
他のパビリオンやカテゴリーで出展しているアルザスワイナリーも多く見かけた。
こちらも私が以上住んでいた村のワイナリー、Paul Blanck日本にはなんと1988年から輸入しているワイナリーだ。このワイナリーのある村に日系全寮制学校があったこともあり、この村の人たちはかなり親日家が多い。
そしてこちらWOW
Warld Organic Wine の略だ。
オーガニック、ビオデイナミを重要視しているアルザスワイナリーは、アルザスパビリオンではなく、こちらに出展していた。
アルザスは10ha前後の小さな家族経営のワイナリーも多く、全ワイナリーが一緒にアルザスワインプロモーションやマーケティングをしていくと言うのはなかなか難しいとのことだ。
40歳以下の(以前は35歳以下)アルザスワイン生産者の集まりだ。
そしてアルザス若手個人ワイナリー組合のブースも。
こちらには13のワイナリーが出展。
これでも一目瞭然だが
全アルザスワインが一緒に出展している訳ではなく
大手ネゴシオンやコオペラテイブ
と
個人ワイナリー
オーガニック、ビオデイナミ
と
通常ワイン
次世代
と
全世代
そして
アルザスワイン委員会CIVA
と
アルザスワイン組合AVA
などどうしてもどこかしらで溝ができてしまっている気がする。
それだからこそ、多くの面白い個人ワイナリーも見つかるし、それぞれの個性が光っているのでアルザスワインは所謂宝探しのようだとも言えるのだが【アルザスワイン】と言うブランディングは他の地方に比べるとなかなか難しいのかと言う印象である。
各個人ワイナリーのキャラクターを尊重し、後継者問題にぶつかるワイナリーは、やはりコオペラテイブやネゴシオンがいてこそ成り立つこともある。
そんな中で日本に輸出されるアルザスワインはほんの一部だ。
輸出にはある程度の数の確保が必要になるし、コミュニケーションも大事だ。アルザス人は働き者だし、一緒に仕事のしやすい人柄だが、まだまだアルザスワイン認知と普及には様々な課題があるとも言える。