これから綴るのは、戯曲に対しての文句であります。生徒さんには全く罪はありません。生徒さんは立派に演じてました。それに関しては後半から書きますね。

 

 作演出の生駒怜子さん。mini植田景子さん、セリフ回しに正塚含み。という感じでした。

 

 どこかヨーロッパテイストの小さな町。新聞記者、本屋さん、帽子屋さん、パン屋さん、お巡りさん、大工さん、小さな楽隊、小さなカフェl、心優しい人々、善意の行き違いみたいなエピソード、最後はしみじみハッピーエンド。

 

 戯曲の構成、演出がしっかりしているので、グダグダ感はないのですが、中身フワフワ、ふにゃふにゃ。色とりどりの果物いっぱいで生クリームとアイスの溶けたフルーツパフェ。メルフェンタッチはいいけれど、なんとも、ふやけた戯曲でした。

 

 先ず、幼馴染の三人組、そのうちのミラは事故で親を亡くして傷を負っている。ミラとダーンは相愛なの恋心を言い出せない。それを周りが応援する。がしかし、なんでぐずぐずしているか理由が終始あいまい。だから、二人に感情移入ができないのです。

 

 そして、ダーンは見ず知らずの大工レオに唐突に殴られる、その理由が有り得ない。そんなんでボロカスに殴るかい。警察にもいかない、変でしょ。新聞記者なのに。おまけにあんなに殴られてもすぐに元気。

 子連れ未亡人みたいな親子が出てくるけれど、この人配偶者がいて、いかつい上司の記者がお父さんという唐突な落ち。伏線の回収があったのはこれだけ。

 何より、主人公のミラとダーンに動きがない。彼らの行為や、セリフで物語が動いていかないので、印象薄い。しどころのないパーソナリティだけが勝負で演技深めようがない。一番動いていたのが、迷子の11歳のヤンでした。

  

 椅子がいっぱいの舞台美術がナイスアイディアだけれど、それだけで満足したみたいな感じで、夢夢しいとは言いながら、見るのは大人です。

 

 

 聖乃あすかさんは、持ち前のノーブルな爽やかさで主演としてしっかり、立っていました。

 驚いたのはミラの七彩はづきさん、ワンフレーズで驚異の歌声実感させる技量、演技も立ち方もしっかりしていて仰天。

 

 侑輝大弥さんのダークな魅力。フィナーレのダンスで、柚香光さんの面影が見れました。上半身、特に指先から手首二の腕のしなるような動き、継承してましたね。うれしかったです。

 

 その他若手の皆さんの元気いっぱいの演技、ダンス、うれしい限りであります。