この作品は初演以来、みんな見てきましたね。麻実れいさんの「危険な関係」も含めて、ラクロの原作読んで、グレンクロース、ジャンヌモローの映画版も見たりして、好き作品なのであります。
メルトウイユ侯爵夫人とヴァルモン子爵との残酷な恋のさや当て合戦、セシルや、ダンスニーたち若さへの嫉妬、純粋な心に対するやっかみ、嫉妬、若い女性と結婚したがる軍人等々、いやなやつばかりなのに、宝塚という魔法にかかると、華麗なる恋の世界に変身してしまう。柴田先生の傑作ですね。恋愛遊戯を重ねる貴族とは裏腹に、生活苦にあえぐ庶民を描き、革命の足音を聞かせるという時代背景もしっかり書き込まれている。
そして、今回はライブ配信だったので、心理のうごきがよくわかり、今まで以上に作品を楽しめました。
主演お二人の眼力を生かした演技が、今までで一番怖い人格を表現していたのではないかな。見ごたえありましたね。
美しく、恐ろしく、しかも、偽善と、虚栄心に惑わされ、真実の心がわからなくなってしまう悲しい人間がそこにいました。
トゥールベル夫人の希良々うみさん、仙名彩世さんに似た面差しで、歌といい、演技といい、素晴らしかった、ショーのほうでも大活躍。今までノーチェックだったので、今後一生懸命見ます。
若手がたくさんでていて、はつらつした芝居してました。柴田さんは役をいっぱい作って、それぞれにしどころを与えるのがうまい脚本家だと改めて思います。アゾランの聖海由うさん、背もあるし、嫌なやつ感が出ていてお上手でした。セシルの方もお上手。
ダンスニーは北翔海莉さんが印象に残ってますが、縣千さん、久しぶりの美青年役で、さすがの演技でした。路線の方はきれいなお役やってほしいですね。ジェルクール伯爵はちょっと、合わなすぎで可哀そう感ありました。真那さんか、透真さんが良いのでは。
ショーのほうは、「凱旋門」と一緒だったはずですが、何故かほとんど覚えていないんですけど、皆様フル回転、ものすごいスピード感があって、パワフル。、エネルギッシュ。本日は千秋楽。ゆっくり休んでくださいまし。