演出や、舞台美術は良いのだけれど、ドラマが書けないいつもの生田大和さんでしたね。
いろんな面白い要素がいっぱいあるのに、物語としてまとめ上げられないので、観客は取り残されてしまって、なんか、もやもやが残ってしまう。宝塚ファンが見たいものを見せてくれない。
アイディアは良いのです。作家の想像力から生まれたシャーロックホームズとのやり取り。商業主義的成功と、作家魂との葛藤、それを世紀末ロンドンの風俗や出版事情、当時はやっていた交霊術や催眠術を絡めて描く。
だけれど、あれこれ盛りすぎて、肝心のドラマが生まれてこないので、場面ごとのギャグの連続になっていて、お話に乗っていけない。
さらに、後半、ドイルの家族が出て来て、なんとも、深刻な涙っぽいシーンになるのがとってつけたようで違和感感じるし。
この作品の要である、ホームズとの会話が少し観念的すぎて、ついていけないし、一緒に殺人事件かなんかを捜査するとか、具体的な話の中で存在させれば、良いのにと思う。朝見絢さんの、ホームズが凄く魅力的なので残念ですね。
三番手の縣千さんに髭つけさせて、中年のペテン師をやらせる。なんでですかね。万年筆のエピソードも少しも面白くないし。。
肝心のドイルさんのキャラが変に滑稽で、感情移入できないし、演じるの大変そう。
大人数のダンスシーンがたくさんあって、照明も凝っているから、それほど退屈せずに見ていられるけれど、心が萌えないのですね。宝塚の芝居はやはり、胸がときめかないと。宝塚でコメディを成功させるのは難しいけれど、物語の芯がびしっと通っていれば、感激するのです。
文句書いたけど、咲ちゃん以下、雪組の皆さんが素敵だったから許してしまう。
ショーのほうは前半は、クリスマスもお正月も過ぎてしまっているので、調子が狂う。
が、しかし、「タヌキ御殿」から後半は素晴らしかった。雪組100年のダンス。ハリウッド映画の水中ショー―みたいなのを群舞で描いた場面は表彰状もののみごとさでした。雪組好きだわ。