1920年代のアメリカは、ニューヨークを中心にして、バブル状態、物も人も都市にあふれて、少しでも好景気の端っこに食い込もうとわっせわっせのお祭り騒ぎの狂乱の時代。

 未来には希望があって、その希望はチャレンジすれば叶えられるとみんな思ってた。

 

 そのエネルギーを舞台に盛り込んだ「モダンミリー」、だから、観客はそのエネルギーのシャワーを浴びて、幸せになれます。

 

 田舎から出てきたミリーちゃんを筆頭に、安ホテルの同居人のお姉さんたちも元気いっぱい。仕事も恋も豪快こなしていく。

 会社も好景気で、電話が鳴り、タイプライターもずらりと並んで、タップダンスのからっとした響きはオフィスレディたちの意気込み、力強さを含んでノリノリ、複雑なステップをまぁ様中心に見事な足さばきで楽しませてくれます。

 

 一路さんの怪しげなホテルのオーナー、一つ間違えれば、オバカ過ぎて白けてしまうキャラなのに、しっかりと演技してしまうのはさすがです。

 アメリカの田舎だけではなく、外国からも富のおこぼれにあずかろうといろんな人がやってくる。当然犯罪も起きる、そのシンボル化が、人身売買なのだろうと思う。東洋人蔑視になっていないのがよかったです。

 

 出演者はみんな達者、おかしなキャラも難なく乗り越え、広瀬さんのボスが最高で、とぼけ加減に品があるので、愛されキャラになってる。

実咲凛音さんのオペラティック歌唱にびっくり、あんなに声が出たっけか、リフトも見事で彼女もグレイスフル。

 

 出演者だけが面白がっている観客置き去りの感じにならず、しっかり笑わせてくれる上質のコメディーが役者の技量、演出の小林香さんの考え抜かれた巧みさで展開されていました。。

 

 主役のカップル中河内さんは小柄だけど、キレッキレの身のこなし、見とれてしまう。

 

 ミリーちゃんはもう憎めないかわゆさ、ダンスの真ん中での決めポーズはオーラキラキラ。長ーい手足ははこの衣装をさらに素敵に見せているし。代表作だわね。アンサンブルの皆さんもたっくさん衣装着替えて盛り上げてくれます。

 

 たくさんの人に見てほしい。 だから、すぐに 再開してください。